かつてイングランド代表でも活躍した名MFポール・ガスコインが、現在ホームレス状態になっていることを明かした。
かつてニューカッスル・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパー、ラツィオ、グラスゴー・レンジャーズなどでプレーし、中盤から鮮やかなチャンスメイクをする選手だったガスコイン。
イングランド代表では57試合に出場するなど同国のレジェンドであるが、現役引退後はアルコールに溺れ、それに伴って精神面でも不安定な状態となり、トラブルを繰り返すようになった。
今年56歳になった彼は今回『High Performance』のインタビューに応え、ホームレスになってしまったため代理人の家に居候していることを明かしたという。
『Daily Mail』によれば、ガスコインは以下のように話していたそうだ。
「私はかつて幸せな酔っぱらいだった。もはやそうではない。今は悲しき酔っぱらいだ。外出して飲むことはない。家で飲んでいるだけだ。
選手時代に靭帯を損傷し、その後膝蓋骨を負傷した。4年間サッカーを休まなければならず、何年も落ち込んで過ごした。そうでなければ、私はイングランド代表で100試合以上出場できたと思う。
すでに十分に落ち込んだ。だから私はもう落ち込まないようにしている。そして本当に落ち込んだときは、自分を元気づけるために飲み物を手に取る。
監督や選手、そしてファンを失望させたとは思っていない。一番がっかりしたのは、自分自身だった。
今はマネージャーのケイティ・デイヴィスの家に居候している。数年前の11月、私は彼女に泣きながら電話したんだ…」
なお、現在彼は大使としてアルコール依存症の体験を語る活動も行っているが、それを頼まれた際には「笑うべきか泣くべきか分からなかった」と複雑な感情に襲われたという。
また「会場ではサッカーについてほとんど話さず、私は昔夢中になっていたクレイジーなことについて喋る。彼らを笑わせなければならないからね」とも。
「私は自分が人々に与えてきたものを誇りに思っている。10の慈善団体に100万ポンド(およそ1.9億円)近くを寄付した。自分も決して諦めたことはない。その時が来るとすれば、棺桶に入った瞬間だけだ」とさらに語り、アルコール依存症からの復活を誓っているようだ。