天皇杯2回戦、モンテディオ山形vsSC相模原戦が12日に山形・天童市内で行われ、2-3で相模原が惜敗した。この日チームは前半12分までに2点先行されるも、連動した守備と素早い攻守の切り替えで格上相手に2得点を奪取。惜しくも1点差で敗退したが、戸田和幸監督は残るリーグ戦に向けて前を向いた。

前半序盤は山形の縦に速い攻撃などに苦しんだ相模原。前半12分までに2点先行を許したが、コンパクトに素早くパスをつなげながら相手を翻ろうし、素早く攻守を切り替えて格上相手に2ゴールを奪う見事な攻撃を見せた。試合終了後に記者会見に臨んだ戸田監督は試合を振り返った。

試合前に山形の渡邉晋監督(右)と握手を交わす戸田監督

――結果は1点差の敗戦ですが、局面は切り替えの部分で上回ることもありましたし、そういった部分を今後リーグ戦に向けてどう評価してさらに良くしていこうと考えていますか。

いまのチームの状態でいうと、前節もなんですけどしっかりプレーができるようになってきていて、敵陣におそらく入っていく回数、時間は増えていると思う。

もちろんこぼれもそうですし、いわゆる切り替えの局面でしっかりその展開を続けるか終わらせるかということをしないと、当然ながら相手によってカウンターのチャンスが生まれるところは、いまたぶん僕たちが直面している、我々自身次のレベルに行けるかどうかすごく重要なところだとは思っている。

選手たちは全力を尽くしていることは間違いないですけど、まだ試合で結果を得るところにまでは至ってないのかなというのは、奈良に負けた試合も含めて感じているところではある。

追求し続けないといけないのは一つ。きょうでいうと、序盤に敵陣へ入っていってロングスローも多かったです。それでゴール前に迫ったんですけど、我々がどこから失点したのかを考えると、山形さんはスローインも早いし、ボールデッドにすぐ出てくる。

基本的なスタイルはボールは保持します。背後にも鋭く出てくるんだよというのは伝えたうえでゲームに入ったんですけど、スローインから背後に落とされて、明らかに準備不足、対応不足、それで失点するところを見たときに、この試合に勝つために必要なことができたのかというのは、全員の話ではないですけど、ハーフタイムにはっきり伝えました。

「このまま終われるか」という話をハーフタイムにして、「自分たちはこのまま帰るわけにいかない」ということと、勝敗は別にして「自分たちが本当にここに何をしに来たのかということを示せ!」ということは選手に伝えてまた送り出した。

その部分に関しては、交代で入った選手も含めて見られた良いプレーはあると思う。

負けた試合の後というのは、伝え方とか総括の仕方は難しいですけど、昨年と違うことは、結果というところは絶対に度外視しちゃいけないといまの僕たちだと思う。

去年は本当に歯を食いしばりながら一生懸命、プロ1年目の選手も多かったりする中で土台を作って、まずしっかりプレーできることと、そのうえで結果も求めるんだという時期はあったと思いますけど、いまはもう違いますから。

上に上がっていく、我々が目指すところに向かっていくために必要なことを、高いレベルで行い続けなければいけない。

負けた試合の後は言い方は難しいですけど、全員じゃないです。すごく良くやってくれた選手もいました。実際にそういったところでクロスから点も入りましたし、狙った部分は出ましたけど、試合をモノするには足らない部分、もしくは足らない選手がいたことは事実なので。

できるだけ全ての選手が、自分が持っているものとこの試合でやるべきことに全力を出し尽くすというところまでいかないと上に上がっていくことはできないと思う。

こういった試合もそういう個々の成長とか成果とか、プロで生きていく、上に上がっていくんだというところに繋げられるように、伝えて、感じてもらって、次に繋げれいければいつか(きょうの)負けの意味は出てくると思います。

負け自体に意味はない。負けていいことは別にありません。「負けたけど、良くやった」とか僕は言わない。言うつもりはない。逆に言うと勝っても良くなかったら「良くない」と言う。

負けたことをきちんと受け止めて、なんで負けたのかをしっかり見て、次に向かっていかない限りは繰り返してしまう可能性がある。そこはシビアに受け止めて僕自身も「また努力しなきゃな」といまは思っています。