EURO2024の決勝に進出したイングランド代表。
ビッグネームだらけのスター軍団ながら、開幕当初は低調なパフォーマンスだったが、このところは調子を上げつつある。
そのなかで存在感を強めているのが、19歳のコビー・メイヌー。彼は昨季マンチェスター・ユナイテッドに彗星のごとく現れたMFだ。
かつてユナイテッドで活躍したリオ・ファーディナンドも彼に期待している。『BBC』で、メイヌーは偉大な選手になれると絶賛していた。
「時に一目見ただけで、最高レベルにふさわしい特別な何かを持っているとわかるような子が現れる。メイヌーはそんな一人だ。
2月にプレミアリーグ初ゴールを決めた際、私は伝説のオランダ代表MFクラレンス・セードルフに似ていると言った。“セードルフの雰囲気”を感じたと言ったのは、彼の能力についてではなく、スタイルの面、動きの面でという意味だった。
先日、ドイツでクラレンスと彼のことを話したが、本人も間違いなく似ていると言っていたよ。
コビーのプレーは、見るたびに良くなっている。動きだけでなく、判断力やパススピード、それに常に自分をコントロールしているように見えるところや、まだ19歳にもかかわらず、投げかけられるものすべてに対応しているところなどだ。
しかし、彼のプレーで最も優れているのは、“待つ”という覚悟だ。どういうことか説明しよう。
(3月のブラジル戦で途中出場から代表デビューを果たしたが)若手は自分の力を証明しようと無理をしすぎてしまうことがある。コビーはそうではない。無理してやりすぎることはない。
彼のプレーを注意深く見てきたが、試合序盤に出すパスの3割ほどは5~10ヤードほどのショートパスで、本来の能力が発揮されるタイミングを待っている。彼はそのタイミングを熟知しており、その瞬間が来れば、相手がボールを奪いに来た時に誰かをひきずり出したり、プレスを打開したりできる。相手に追い詰められたはずなのに、なぜか打開してしまう様には『オーマイゴッド』と言わざるをえない。
ギャレス・サウスゲイト監督も言っていたが、彼はそれをとても簡単そうにやっているが、実際は最も難しいことのひとつだ。
MFたちに聞いてみるといい。背後がどうなっているか分からない状態でDFを背負いつつボールを受けて、後ろから様々な角度でプレッシングをかけられつつ、相手がどこにいるかを感じ取って、そこから抜け出すことができるかを」
また、リオは「コビーの年齢と経験不足は関係ない。彼はすでに実年齢を超えたプレーをしている」とも語っていた。
そのメイヌーと似ているというセードルフは、両利きになれれば違いを生み出せると考えて独学で左足の使い方を習得したとか。メイヌーも彼のようなレベルに到達できるか注目だ。
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