サッカー界でもはやお馴染みとなったVAR(ビデオアシスタントレフェリー)だが、逆に物議を醸すケースも散見されている。
スウェーデン1部リーグはVARの導入を拒否したが、同じ北欧のノルウェーでもVARへの反発が強まっているようだ。
『NRK』によれば、21日のノルウェー1部リーグ、ローゼンボリ対リレストローム戦が途中で打ち切られる事態になったという。
VARに抗議するファンたちは開始1分でフィッシュケーキ(≒かまぼこ)、発煙筒、テニスボールなどをピッチに投げ込んだ。そのせいで試合は何度か中断され、その度に選手たちはロッカーに引き上げるはめになり、無観客での試合続行も検討されたものの、残り30分時点でついに中止が決定した。
ローゼンボリのアルフレド・ヨハンソン監督は「これはクレイジーだ。全員がサッカーをプレーするためにいるのに、こんなことは許されない。彼らなりの意見や態度があることは理解しているが、自分たちの試合がプレーできないことが何よりも腹立たしい」とコメント。
ノルウェーリーグでは数週間前からVARに対する抗議活動が行われてきたという。リレストロームのサポーターは「くそったれ、VAR」と連呼しており、「これはVAR廃止を望む人間たちの勝利だ。望んでいたような注目が集められた」とも話していたとか。
一方、ノルウェーサッカー協会の関係者は「サポーターのやり方は間違っている。試合を中止し、チームのプレーを妨害する。これではサッカーが台無しになる」、「VARに反対するのは正当だが、これはVARについて議論するためのものではない。試合に対する完全な妨害行為であり、ピッチ上の選手たちに影響を与えている。サポーターの声も聞く必要はあるが、影響力を行使するためには合法的な手段を使わなければならない。耳を傾けられるからといって、自分の思い通りにできるわけではない。民主主義はそうやって機能するものではない」と苦言を呈していたという。