気温は下がったが、運営は難しい判断を求められる

GSロード宮城会場第2試合は雷光、雷鳴が激しくなり、試合は中止となった(23日に翌24日午後6時に再試合決定を発表)。大会規定上神戸U-18対川崎U-18は0-0で勝点1を分け合う形となった。気象庁によると試合開催予定だった午後7時の前橋市内の気温は27.2度と試合を開催しやすい温度に落ち着いていた。

川崎U-18の長橋康弘監督は「以前はWBGT(湿球黒球温度、暑さ指数)を見ながらこれ以上(温度が)上がったら休憩を入れるとか、いろんな工夫はしていたんですよ。ただそれを(対策を)上回る暑さだったので、少しでもリスクが高いことは避けていくような形で進めた方がいいです。最近の暑さは対策も取りづらい状況だと思います。できる範囲で対策をしてきたものの、対策も難しい状況になってきたのかなと思いますね。選手は将来ある子たちなので、(ナイター開催は)絶対にいいことだと思います」とナイター開催を評価した。

第2試合は落雷の影響で中止に

ただこれまで暑さ対策のために早朝開催など同選手権運営は工夫を重ねてきたが、選手の命を預かる指導現場からはナイター開催の実施を求める声も少なくなかった。そのため同選手権運営の暑さ対策に対して懐疑的な視線を送る指導者も少なくなかった。

神戸U-18の安部雄大監督は

「(以前は)朝早い時間とはいえ、気温がかなり高い状況になっていましたから、暑さ対策というところだけ見れば夕方夜の開催が望ましいと思います。

大会を運営されている方々のいろいろな御尽力もあるし、変更できなかった理由もあったと思うので一概には言えないんですけど、やはり選手の安心、安全を考えると、夕方夜の開催が1番望ましい。ただきょうは夕方になると夕立というか、雷雨が心配されるので何を優先するかは難しい判断だと思います。

まだ(大会は)終わっていないため結果なども出ていない部分もあって全部を振り返ることは難しいと思うんですけど、この(大宮U18対岡山U-18の前半)1本(開催)というのも少しどうかなと個人的に思います。

選手ファーストはもちろん選手の命が1番なんですけど、試合会場の使用時間の問題で(試合を)後に(ずらすことが)できないというレベルであれば、もう少し方法を探ってもいいのかなと思いますね」と厳しい視点で大会運営を見ていた。

後藤雄治神戸ヘッドオブコーチング

神戸アカデミーの現場をサポートする後藤雄治ヘッドオブコーチングは

「(現職就任前は)U-18のコーチをやっていて、群馬で長いことお世話になっていました。試合が終わってから体調を崩す選手や明らかに疲労を訴える選手たちもいました。その大変さを感じながらやっていましたね。

(大会運営は)いろいろな御苦労されてきた中で、我々のために大会を運営してくださっていたと思うんですけど、今回分散開催になって、試合時間も夕方になったことで子供たちのコンディションを優先していただいたことは本当にありがたいことだと思っています」と大会運営の方針に感謝していた。

人命最優先!真夏での日中試合開催はサッカーの首を絞める!災害級の暑さから選手を守るためには

これまで暑熱対策が叫ばれていた同選手権はナイター開催の実施によってアスリートの健康、人命をより優先する方針に舵を切ったが、落雷などのアクシデントに苦慮する場面もあった。

それでも同選手権運営の試合会場の分散開催や試合開催時間変更はアスリートファーストの観点でいえば英断だったと思える。今後も2種世代の選手たちが安心、安全の試合環境を運営する同選手権運営の働きを注視していきたい。

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