「遅かれ早かれハセさんは来るんだろうな」

現役時代は不動のキャプテンとして日本代表を支え続けた長谷部誠。この日も若手主体の練習にスッと入り込み、代表の活動をサポートしていた。その姿を近くで見てきた長友にとって、長谷部コーチの入閣は驚きではなかった。

「遅かれ早かれハセさんは来るんだろうなと、野生の勘で分かっていました。選手からスタッフと形は違えども、代表の経験をもとにまとめるという意味では、仕事はそこまで変わらないんだと思います」と、新コーチへの不安は一切ないようだ。

今回の代表活動には22歳の望月をはじめ、19歳のDF高井幸大(こうた、J1川崎フロンターレ)といった若手が選出されている。2026年のW杯を前に日本代表は血の入れ替えが加速しており、9月12日に38歳となる長友は言わずもがなの最年長だ。欧州トップレベルで活躍する選手も増え、競争が激化する森保ジャパン。それでも若手を気遣うために呼ばれたわけではない。

長友は「最終予選は今回が5度目ということで、酸いも甘いも経験している」とこれまでの場数を武器に最終予選突破に貢献したい。

日本代表は5日に中国代表と埼玉スタジアム2002で対戦する。前回のアジア最終予選ではオマーン代表に0-1で敗れており、ここまで2大会連続で初戦を落としているサムライブルーにとって中国戦は鬼門となりそうだ。

「2大会とも初戦は負けてしまっている。ハセさんと僕は代表でも長いことプレーしていましたし、海外でも色々と経験してきました。その経験をハセさんとともに、後輩たちに伝えていきたい」と、長友にとっても長谷部コーチは頼もしい存在だ。

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日本代表のキャプテンがコーチとして帰ってきた。長友は新しい風が吹くサムライブルーのベテランとして、初戦敗北の歴史を断ち切りたい。

(取材・文・写真 浅野凜太郎)

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