いまのままじゃプレーオフは行けない…
ただいわきの点取り屋は自身のスコアより、チームの勝利を渇望している。ゲームキャプテンを任されている選手としての責任感は強い。
「フォワードが(ゴールを)決めなきゃ勝てないことは分かりますけど、俺は17点、有馬(幸太郎)は10点に近いです。チームが俺と有馬頼りでは勝てない。マークも付いてきますし、周りが点を取ってくれるチームにならないと勝てないのかなと思います」と仲間に奮起を促した。
今季リーグ戦8得点2アシストのFW有馬もこの日激しいマークに苦しんだ一人だ。2選手は果敢にゴールへ迫るも、栃木の堅守を最後まで破れなかった。得点力を有するアタッカーはいるが、後方の攻撃参加の少なさに点取り屋は嘆いた。
「結果を残していくチームは絶対的ストライカーがいると思うんですけど、その中でも他の選手が決めることが大事だと思っています。自分たちのマークが強くなってきたときに他の選手に(得点を)取ってもらいたいです。
クロスができないなら中に来る技術をつけてもらいたいです。根本的に一つ防がれたときにその後がない。クロスを防がれたら中に叩いて自分で得点を取れるくらいの迫力で中に入ってきてほしい。そういうところをつけてほしいです。
縦をふさがれたときに、もう何もできないでバックパスでは話になんないと思う。他の上位にいるチームはそれができるから勝っていると思うので、いまのままじゃプレーオフは行けないと思います」
昇格を目指す終盤は、チーム力が試される。総力戦になった際に谷村、有馬頼りのチームではどうしても勝ち切れない。だからこそ他のチームメイトたちに得点を奪ってほしいとエースストライカーは強く求めている。仲間たちの発奮が今後白星を重ねる上で必要不可欠だ。
次節は10月5日午後5時にアウェー・藤枝総合運動公園サッカー場(静岡)で藤枝MYFCと対戦する。相手はJ3時代からしのぎを削ってきたライバルだ。今季はホームで3-0と完勝しており、藤枝相手に初のシーズンダブルを達成してJ1昇格PO圏進出につなげたい。
「きょうの前半はここ最近だと内容として悪かったと思うので、それを無くして前半で(ゴールを)取り切れば勝てると思います。前半は全員が後ろ向きのプレーで相手陣に(ボールを)取られてスローインやコーナーキックが多かった。それをもっと減らして相手陣地でプレーすることができれば、自分たちのチャンスになるだろうと思います。藤枝戦は相手にやりたいことをやらせないように自分たちが相手の陣を牛耳られるようにやりたい」と白星を誓った。
【インタビュー】J2いわきの救世主!MF岩渕弘人が語るアマチュア時代の学びと成長とは
チームの勝利を強く求めるエースストライカーの想いに、仲間たちは応えられるのか。J1初昇格に向けて負けも、引き分けも許されない“いわき”のチーム力がいま試されている。