Jリーグは、9月24日に選手契約制度の大幅な改定を行うことを決定したと発表した。

クラブ、日本サッカー協会(JFA)、日本プロサッカー選手会(JPFA)などとの長期間の協議の末に1999年から継続してきた「プロABC契約」の撤廃などを決めた。その概要はこのようなもの。

〇プロ契約におけるABC区分を撤廃
〇プロ契約締結初年度の報酬上限規制を緩和
基本報酬1,200万円(消費税別)+支度金 500万円(消費税別)
〇プロ契約の基本報酬の下限を新設
・J1リーグ:480万円 、 J2リーグ:360万円 、 J3リーグ:240万円 (いずれも消費税別)
・プロ選手の最低人数を各クラブ20名以上に設定
・18歳以下のプロ契約選手は、年俸下限の例外対象とすることも可

そうしたなか、JPFAの会長である吉田麻也は、Tokyo FMの『吉田麻也の切り替えて行こう!』で、この件についてこう語っていた。

「2年前に僕が選手会長に就任してから、いくつかのスローガンを掲げてやってきたんですが、このABC契約の撤廃は、ずっと議論してきた話です。そして、僕だけではなくて、前、前の前、もっと前の選手会長たちが取り組んできたことなんですが、なかなか思うようにいかなかったんですが、今回30年間変えられなかったこのルールを変えることができたのは、選手にとっても、Jリーグにとって、もっと言うと、日本のスポーツにとってもすごく大きな一歩なんじゃないかなと思っています。

このプロ契約内のABC区分の撤廃ということは、プロかアマチュアのみということになりました。逆に言うと最低賃金がある240万円以下の選手はプロになることが難しいというハードルがひとつ明確に引かれた瞬間でもあるんですが。

それは僕も色んなミーティングで、特に支部訪問といってですね、各チームとミーティングをする機会があるんですけど、そこに出て、J2・J3の選手たちともヒアリングをして。こうなると、今プロでやっている選手たちもプロではなくなるかもしれないけれど、それでも大丈夫ですかという話を丁寧に説明しました。そのなかで、J3の選手たちからも、それはプロなんだから、しっかりと一線を引いて、本人たちにとっては多少リスクもあるんですが、それでもサッカー選手の価値向上やステータスを上げていくためには、必要なことということで、了承してもらって。それをもって、リーグと交渉をさせてもらってという形になってます。

プロ契約の最少登録人数がJ1からJ3のすべてのクラブで一律20にとなりました。今まではJ3は3人プロ契約をしていればいいという状況だったので、非常に安い賃金で契約している選手が多くいたんですが、これからはそのハードルが上がる分、もちろん、予算も膨らむので、クラブへの影響も出てきます。

そのなかで、クラブにも健全な経営をしていくことが求められるし、また、ルーキーの年俸の上限が1200万円に引き上げられたということで、ルーキーの金額が上がると総合的に上の選手たちの年俸も引き上げられるようになるので、経営を圧迫するのではないかという懸念もあるんですけど…」