紆余曲折を経て韓国の英雄が帰還
結局ワールドカップ2次予選の再開まで後任の監督は見つからず、3月の2試合はファン・ソンホン監督、6月の2試合はキム・ドフン監督が暫定的に指揮を執った。前者がタイとの2試合を1勝1分、後者が2連勝で2次予選を突破した。
最終予選を目前に控え、KFAは7月8日に当時Kリーグ1蔚山HD(旧・蔚山現代)のホン・ミョンボ監督を新たな指揮官として任命。韓国の英雄にとって、2014年のFIFAワールドカップを指揮して以来、10年ぶりにアジアの虎への帰還となった。
指揮官の初陣となった先月5日のパレスチナ戦はホームで1-1のドロー。同月10日のアウェイで行われたオマーン戦は3‐1で勝利した。2試合で勝ち点4を積み上げるも、どちらの試合も展開のスピードに欠け、停滞感が漂う試合内容だった。また、選手同士の距離のバランスが悪いため、相手陣地の深い位置までボールを運べず、カウンターを受けてピンチになる悪循環はクリンスマン政権から改善されていなかった。
アジアカップでの敗退以降、本来は段階的に積み上げていかなければならないチームの指標やプレー原則の浸透が、その場凌ぎの監督人事によってまったく構築できなかった。結果的に選手の能力頼みの戦い方となってしまった韓国にとって、イングランド・プレミアリーグで活躍を続けるFWソン・フンミンとFWファン・ヒチャンの不在はあまりにも大きすぎた。