先週日曜日のインテル戦で突如意識を失って倒れたフィオレンティーナの22歳MFエドアルド・ボーヴェ。
迅速な医師の介入によって命に別状がない状態まで回復することに成功し、現在はフィレンツェのカレージ病院で治療を受けている状態にあるという。
所属クラブのフィオレンティーナからはその後の続報は発表されていないものの、『La Repubblica』『La Gazzetta dello Sport』などが伝えたところによれば、エドアルド・ボーヴェ自身が「埋込み型除細動器の装着手術を受けることを了承した」という。
埋込み型除細動器(ICD)は、生命に関わる不整脈を感知すると自動的に心臓へ電気ショックを与えて心室細動を止めることを目的とした機械である。
近年ではEURO2020で心停止を起こしたデンマーク代表MFのクリスティアン・エリクセン、2019年に心筋炎と診断されたオランダ代表DFダレイ・ブリントが体内に装着したことで知られている。
エリクセンやブリントのように装着の上で現役を続けることは可能であるが、フィオレンティーナが戦っているイタリア・セリエAでは規則によって埋込み型除細動器を使用しながらのプレーは認められていない。
そのためエリクセンは当時所属していたインテルを退団することを余儀なくされ、イングランド・プレミアリーグのブレントフォードへと移籍することになった。
ボーヴェの心臓は現在安定した状態にあることから、埋め込み手術は早ければ本日にも行われる可能性があるそうだが、これによって彼はイタリアでの選手としての復帰が不可能となる。
もし選手としてのキャリアを続けるのであれば、母国を飛び出して他のリーグへと移籍する必要がある…とメディアでは伝えられている。
なお、現在カレージ大学病院ではボーヴェが倒れた原因を詳しく調査している状況で、過去の何らかの現象による痕跡が残っていないか解明を進めているとのこと。
ボーヴェは2020年に新型コロナウイルスの感染を経験しており、軽度の心筋炎を伴う後遺症もあったとのことだが、現在の心臓にはその痕跡は残っていないという。
報道によればMRI検査の結果心臓の左心室に傷跡が見つかったとのことで、これが心停止を引き起こした原因になった可能性があるようだ。