濃野公人(鹿島アントラーズ)

プロ1年目で圧巻のパフォーマンスを披露した濃野公人。サイドバック(以下SB)ながら今季9ゴールを記録した超攻撃的SBです。

オーバーラップやインナーラップのタイミングもそうですし、ゴール前に入っていく感覚も持ち合わせ、ストライカー並の嗅覚でゴールを奪い切ることでチームに貢献しました。

キックもかなり上手なのでクロスからのチャンスメイクもお手のもの。ランコ・ポポヴィッチ前監督の時にはサイドで勝負を仕掛けるようなタスクを担っており、しっかりとそれを完遂していました。

大きなインパクトを残した今シーズンの濃野公人。これらから先もとても楽しみな選手です。

知念慶(鹿島アントラーズ)

ストライカーからボランチへ。ポポヴィッチさんにコンバートを告げられ、見事にセントラルハーフ(以下CH)でその才能を開花させました。

広大なエリアをカバーする身体的な強さと、ストライカー出身ながら、危険な場所にいち早く駆けつける頭脳、そしてボールを奪い切る守備力。どれもこれもCHの選手として必要なものを高次元で見せてくれました。

攻撃の局面でも、組み立てにも関わりながら、機を見てゴール前に入っていくストライカーらしさやセットプレーでの脅威にもなっていました。さらにミドルシュートも持ち合わせており、一気にJ屈指のCHに上り詰めたと思います。

扇原貴宏(ヴィッセル神戸)

ヴィッセル神戸の心臓。攻守においてのキーマンとして今シーズンを戦い抜きました。ハイプレスに出てインテンシティの高いチームにおいて、アンカー(以下DMF)の役割を全うしました。

1stプレス隊の方向付けを確認しながらスペースをカバーするその様子は目立ちはしないかもしれないですが、確実にヴィッセル神戸のプレッシングを支えていました。狙いをつけての迎撃も上手で、幾度となくフィルターをかけていた印象です。

また攻撃の局面でも、特に保持の局面でも大きく貢献。空中戦を中心に戦うことは間違いないのですが、その上で今季のヴィッセル神戸はボールを持ちながら攻撃を組み立てることに挑戦していました。そこで扇原貴宏は相手をずらすためのポジショニングの工夫や持ち前の展開力でチームに新たな一面をもたらした選手です。

マテウス・サヴィオ(柏レイソル)

簡潔にいうと『全部やるマン』。柏レイソルの絶対にサボらない大エースは今季9ゴール7アシストと大暴れ。「まず俺を見つけろ」と言わんばかりのパフォーマンスで攻撃を引っ張りました。

相手を剥がしていくドリブル、味方を待つドリブル、味方に時間とスペースを与えるドリブルと、いくつもドリブルを使い分けながら、自らフィニッシュやチャンスメイクをしていました。

さらに組み立てにも関わることが多く、展開力は今シーズン身につけたプレーの1つだと思います。守備でも大きく貢献。制限をかけながらプレスをかけ、さらにしっかりとプレスバックも行っていくことで、チームを鼓舞し続けました。

走れるファンタジスタで大エース。希望を見出す大きな存在でした。