今季、流れるようなパスサッカーでJ1を席巻するも、惜しくもタイトルに手が届かなかった柏レイソル。

柏のシーズンは6日のJ1最終節をもって終了したが、もう一つの最終決戦に臨む男がいる。

来季柏への加入が内定している東洋大DF山之内佑成主将(4年、JFAアカデミー福島U-18)は、13日(午後2時、静岡・草薙総合運動場陸上競技場)に大学最後の大会となる全日本大学選手権(インカレ)を迎える。

今回Qolyは、今季東洋大の主将としてチームを総理大臣杯優勝に導き、柏では特別指定選手としてルヴァンカップ決勝の舞台に立った山之内を取材。スタンドからチームメイトへ声援を送った負傷離脱期間の日々や、天皇杯での躍進、前回大会王者として臨む今年のインカレなどについて話を聞いた。

画像: 「出られない選手の分まで…」負傷離脱中の経験を胸に、柏レイソル内定の東洋大DF山之内佑成がインカレ2連覇を目指す

(取材・文・写真 縄手猟)

柏入団の決め手は練習参加時の「直感」

東洋大の練習後に取材を受けてくれた山之内は「汗、大丈夫ですか」と記者に気づかいながら席に腰を下ろし、少し引き締まった表情で柏を選んだ経緯について語り始めた。

「正直に言うと直感です」

山之内が初めて柏へ練習参加した時期は、2024年の2月。当時は井原正巳氏(現韓国2部水原三星コーチ)がチームを率いていた。

東洋大の背番号5は「練習参加したときの自分の感触であったり、直感があった」と、柏入団を決断した理由を明かした。

東洋大で存在感を放つ左サイドバックには、J1のファジアーノ岡山もオファーを提示した。

だが、当時の柏は「形がなく、自由にやっているイメージだった」ため、東洋大で培った経験が生きると考えた。

そして昨年6月に、山之内の2026シーズンからの柏入団内定が発表された。

画像: 東洋大の練習に励む山之内(写真 縄手猟)

東洋大の練習に励む山之内(写真 縄手猟)

今季からスペイン人指揮官リカルド・ロドリゲス監督が就任した柏だが、山之内の前への推進力やユーティリティ性は高く評価されており、早くも指揮官から信頼を得ている。

10月4日に行われたJ1第33節横浜F・マリノス戦では、1点リードで迎えた後半41分に途中出場し、プロデビューを果たした。

プロサッカー選手として初めて公式戦のピッチに足を踏み入れた瞬間は「うれしかったですが、めちゃくちゃ緊張して、あまり覚えていない」と率直な感想を口にした。

東洋大では左サイドバックでプレーする山之内だが、柏では日本代表MF久保藤次郎の穴を埋める形で右ウィングバックを任されている。

いままで同ポジションでプレーしたことはなかったが、「右サイドは少しぎこちなさはありましたけど、やりながら慣れていった感じです」と、試合を重ねながら適応している。

同月12日のルヴァンカップ準決勝2ndレグのJ1川崎フロンターレ戦ではプロ初アシストを含む2アシストを記録。

それでも山之内は「(右ウィングバックは)自分の特徴を出しやすいポジションだと思います。その反面、まだいろいろなタスクができていないところもある。できていることとできていないことが半分ずつですね」と謙虚に答えた。

画像: 今季は柏の特別指定選手としてプレーしている山之内(写真 縄手猟)

今季は柏の特別指定選手としてプレーしている山之内(写真 縄手猟)

山之内は先月1日に行われたルヴァンカップ決勝でも先発に抜てきされた。背番号32を背負い、右サイドで攻守にわたりほん走した同選手だったが、広島の強固な守備を前に持ち味を発揮できず、チームも1-3で敗れた。

さらに同選手は、リーグ優勝の可能性もあったJ1最終節の町田ゼルビア戦で、後半アディショナルタイムから途中出場。試合には白星を挙げたものの、首位の鹿島アントラーズが別会場の試合で勝利したため、リーグ戦最終順位は2位となった。

山之内は「一つ、一つのプレーのクオリティやポジショニング、すべてのところで進化しないと、来シーズンは(試合に)出られないと思っています。大学生ではなくて、選手として見られるので、一つ、一つのプレーに責任を持って、試合に絡めるように目の前の課題に向き合っていきたいと思います。レイソルの勝利に貢献できるように、自分のできることをすべて尽くします」と来季に向けて意気込みを語った。

来季さらなる飛躍を目指す山之内は、小学校時代にチームメイトとしてプレーした同級生が、今年日本代表に初招集されたことについて率直な想いを明かしてくれた。

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