「1試合1試合を大事に、毎日の練習でアピールを!」
2年半に渡った武者修行でJ2通算69試合4ゴール5アシストという実績を積み上げた甲田は名古屋への復帰を決断。第7節以降に右WBとして定着したかに思われたが、第12節からは先発を外れている。
第13節のファジアーノ岡山戦で途中出場から今季2ゴール目を挙げたものの、今季は90分間のフル出場は1度も記録しておらず。本人もその現状をしっかりと認識したうえで、日々のトレーニングでの鍛錬を継続している。
「愛媛で自分のドリブルに自信を取り戻せた感覚があったことと、この百年構想リーグというハーフシーズンは自分をアピールする良い機会だと考え、グランパスに復帰することを決めました。
ただ、今はまず目の前の試合に出て結果を残したい、という気持ちが第一にあります。連戦もあるので、あまり先のことは考えても意味がないと思っています。1試合1試合を大事にしたいですし、今の自分は毎日の練習でしっかりとアピールをして、怪我をしないで試合に出続けることだけしか考えていないですね」
GWの連戦には普段よりも子供たちの来場が多く予想される。名古屋はクラブとしても子供たちを多く招待し、キッズ用のオリジナルTシャツの配布も予定している。人懐っこく、プレー面でも魅せられるドリブラーの甲田は子供たちにも愛されるキャラクターだ。
「子供たちにはサイドで1対1になった時のドリブル突破や、そこからのクロス、シュートという部分を観て欲しいです。特に最近はアシストが多くできそうな雰囲気やイメージが湧いて来ているので、この百年構想リーグではゴールとアシストを足して5点を個人の目標にプレーしていきたいと思います(※第14節終了時点で2ゴール)」
日本代表と新生グランパス、WBの可能性
現在の日本代表のWBにも多士済々なアタッカーが揃っている。
縦への推進力あるドリブル突破を武器とする伊東純也(ゲンク)、“逆足ウイング”から内側でもプレーできる万能型へと進化した三苫薫(ブライトン)、圧倒的なスピードと走力で攻守に“違い”を作る前田大然(セルティック)、どこからでもゴールを狙うフィニッシャーの中村敬斗(スタッド・ランス)、プレーメイカー色が濃い堂安律(フランクフルト)らは、クラブとは異なるポジションで起用されながらも、それぞれの個性を発揮している。
WBというポジションはプロ入り前から本職である選手はほとんどいない。プロになって以降に様々な個性をもった選手がコンバートされるからこそ、選手それぞれの多彩な資質が出るのだろう。
“ミシャ式”が浸透する新生グランパスは、日本代表に近いエッセンスが窺える。
攻撃時と守備時でフォーメーションを変える「可変システム」はミシャ監督がサンフレッチェ広島を指揮していた2008年5月頃にその原型が完成したとされる。当時は現代サッカーのベースとなった偉大な“ペップ・バルサ”は誕生しておらず。「可変システム」においては欧州から先行していた。
そんな前衛的な戦術をJリーグに持ち込み、1年間の充電期間でアップデートを感じさせるミシャ監督の下で、甲田英將は今日も走り続け、日進月歩の成長を続けている。
愛する名古屋グランパスのために!

百年構想リーグWEST第13節・岡山戦で今季2ゴール目を挙げた甲田。(写真提供:名古屋グランパス)
【プロフィール】甲田英將(こうだ ひでまさ)
2003年10月2日生まれ(22歳)
三重県四日市市出身
168cm/65kg
ポジション:MF
地元・三重県四日市市の「川島サッカー少年団」でサッカーを始め、小学6年時に名古屋グランパスU-12に加入。以後、同U-15、U-18へと昇格を果たし、2022年からトップチームに昇格。世代別日本代表でも飛び級招集されるほど将来を嘱望されていたものの、中学時代から怪我に泣くことが多く、プロ契約後も長期離脱を経験。2023年6月からは出場機会を求めて東京ヴェルディ、2024年には水戸ホーリーホック、2025年には愛媛FC、当時のJ2所属3クラブへと育成型期限付き移籍。合計2年半に渡る武者修行を経て、今季から名古屋へ復帰。明治安田J1百年構想リーグWESTでは第14節終了時点で12試合出場(先発6)2ゴール。
