トルコは友達

アゼルバイジャンの国旗を見ると、トルコ国旗を模したような柄が中央に位置する。赤は進歩を意味し、三日月と星の組み合わせは、オスマン帝国の国旗にも見られたシンボルでトルコ、ウズベキスタンなどでも採用されているという。こうした歴史的背景からか、アゼルバイジャンとトルコは伝統的な友好国で言語的にも非常に近しいものがある。


ここで、問題となったヒュセイノフの行動を見てみよう。アポロン・リマソール戦でPKによる得点をあげたヒュセイノフは試合後にトルコ国旗を掲揚した。直後のインタビューでは「トルコは友達」と語るなど、親トルコの発言をしている。

実際に、アゼルバイジャンは北キプロスへの直接のフライトができる数少ない国であり、ギリシャはこれに対して難色を示している。

人種差別の背景には

アゼルバイジャンへの旅行者が、同国に対して抱く印象は決して良くない。その理由として人種差別が激しいという答えが返ってくることが多い。

ソ連には人種差別がないという人がいる。一方で、旧ソ連解体後、貧しさへのはけ口としてナショナリズムの高まりをプロパガンダすることが多い。結果、他民族に対して排除傾向があるというのは歴史的に見ても珍しくない流れである。

実際に、旧ソ連圏での人種差別に関するニュースはサッカー界に多い。「カザフスタンでは人種差別が激しすぎた」と、フランス人FWミカエル・アントワーヌ=キュリエは答えているし、「ロシアでは人種差別が日常茶飯事」とブラジル代表FWフッキも告白している。

こうした背景を受けて現在ドイツでは政治的なニュースとしてこの問題を大きく取り上げており、在ドイツ・アゼルバイジャン大使館は抗議をしているという。悲しいことに、どの国も近隣の諸国とは摩擦がある。単純に世界平和といかないのが現状だ。しかし、それをスポーツの世界に持ち込んでしまった時点で負けである。

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