クラブW杯の準決勝で、間もなくサンフレッチェ広島は南米王者のリーベル・プレートと対戦する。

21世紀に入り各大陸間のレベルの差は少しずつ縮まっているが、クラブW杯が始まって以降の10大会で欧州と南米勢以外が決勝に進出したのは僅かに2度と、この2大陸の強さは依然として際立っている。

日本人はブラジルW杯でのコロンビア戦がそうであったようにもともと老練な南米勢を苦手にしており、広島がその南米最高峰の大会を勝ち抜いたリーベルに勝つのは容易ではない。

ではノーチャンスか?というとそんなこともない。

確かにリーベルは昨年のコパ・スダメリカーナからレコパ、リベルタドーレスと南米の国際大会を3連続で優勝し、夏にはガンバ大阪を下してスルガ杯を制覇と、一時の低迷が嘘のように黄金期を迎えている。マルセロ・ガジャルドの手腕には脱帽するしかない。

しかし今夏(南半球は冬だが)、チームの絶対的なエースだったコロンビア代表のテオフィロ・グティエレスが移籍したのは(カベナギ以上に)大きな戦力ダウンとなった。

今年は国際大会との並行もあり、1ステージ制に移行したリーグ戦の優勝を早々に逃すと、連覇のかかっていたコパ・スダメリカーナも準決勝で敗退。リーベルは今大会に臨む前の公式戦で10試合3勝2分5敗と不調なのだ。

また、今回のメンバーのなかには個人で圧倒的な違いを作れる選手はいない。2トップに入るウルグアイ人のモラ、若いアラリオはどちらも独力でゴールを奪ってしまうタイプではない。かつてマジョルカで大久保嘉人とプレーし、トップ下に入る予定のピスクリチも左足は素晴らしいが、欧州では成功できなかった選手だ。

もちろんバロベーロ、マイダナ、ポンシオにダイナモのサンチェス、ベンチにはルチョ、サビオラと、派手さはないものの経験豊富な選手が揃い、個に頼らないだけのチーム力、天性の試合運びの上手さは1枚も2枚も上手だろう。

また、南米勢はトヨタカップの時代から欧州の王者と対戦できるこの大会に対する並々ならぬ情熱を持っており、「日本行き」は合言葉ともなってきた。実際リーベルは今大会、自らを「リーベルのサムライ」と称して乗り込んでおり、サポーターも大挙詰めかけている。その意気込みは我々が想像する以上に高いのだ。

ただ広島には地の利も勢いもある。リーベルには付け入る隙も十分にあるだけに、決して怖がってはならない。

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