――日本代表では長谷部誠選手、遠藤保仁選手、日本サッカー史に残るような二人とポジション争いをしてきましたね。

長谷部さんとヤット(遠藤)さんの二人のバランスはすごく良かったです。彼らのバランスの良さっていうのは、何かこう…「隙がなかったな」っていうか。やっぱりあの二人と自分の差はあったから、試合に出られなかったんだと素直に思ってます。

そこに入っていく力がなかったっていうのは本気で思いましたね。監督(の起用)がどうこうって少なからずサッカーなんであるんですけど、シンプルに僕自身の能力が足りなかったと思ってます。

でも彼らと一緒にいることで、一緒にサッカーさせてもらうことで、いろんなことを学びました。一緒にいたから彼らのようなプレーができるかといったらまた別なんですけど。

普段のね、ヤットさんのあのマイペースな感じだったり、長谷部さんの世間でいう“整ってる”ような感じだったり。サッカー以外でも学ぶことが多かったなと思いましたね。

――長谷部選手は浦和からドイツに行かれて、その後トップ下からボランチ、今は最終ラインで活躍されています。細貝選手と共通する部分もあるかと思いますが、彼は他の選手と何が違うと感じますか?

その場に順応できる能力が素晴らしいんじゃないかなと思います。プレーもそうだしオフザピッチも含めて。

僕は長谷部さんと浦和でも一緒にやっています。浦和での長谷部さんも知ってて、代表での長谷部さんも知ってて、同じタイミングでドイツにいたのでドイツでの長谷部さんもある程度近くで見ていました。フランクフルトでセンターバックもやっていましたが、僕も(ヘルタ)ベルリンとかで数試合センターバックをやったことがあるんです。

長谷部さんってDF体型ではないというかそんなに大きくない。僕よりはちょっと身長があるくらいで。(にもかかわらず)そういうポジションでコンスタントに、しかも年齢を重ねてもできている長谷部さんの凄さっていうのは僕はたぶん結構分かるほうなんですよ。

だからこそなおさら長谷部さんってすごいなってシンプルに思いますね。

――その後、2014年ワールドカップは残念ながらメンバーから落選。昨年開催されたカタールワールドカップには吉田麻也選手、長友佑都選手、同世代の選手たちがプレーされていましたが彼らへの想いはありますか?

シンプルに素晴らしいなと思っていました。麻也はちょっと下なんですけど佑都は同い年ですし、(川島)永嗣さんは僕より上なわけなんで。それに対して(自分が代表に)「入りたい」というのは…僕は数年入ってないわけなんで。現実的なところをちゃんと見てると、そういうステップではないというのは心のどこかにある中で。

でも同世代の選手たちがあれだけ今も長い間…僕がいた時は2010年とかその前ですけど佑都なんてその前からなので。その前からずっと日本代表選手として、日本のトップ選手としてやり続けてるというのは本当に素晴らしいなと素直に思いました。

――ピッチ外で本田圭佑選手が話題になりましたが彼はどんな人ですか?

圭佑も同い年なので。たまに連絡も取りますし。解説をやった槙野も代表で一緒だったので連絡も取るんですけど、「(本田と)一緒にやって盛り上がった」という話をしていましたね。

彼(本田)は彼で、最近はメディアに出て柔らかくなりましたけど、やっぱり『本田圭佑を演じなきゃいけない』っていう彼も当然いるんですよ。なので数年前の圭佑とたぶん今の圭佑とではまたちょっとジャンルも違う。当時はふざけるようなことは表に対して全くしなかったけど、今は面白おかしいこととかも平気で発信とかもすると思うし。

僕はいまザスパクサツ群馬にいますけど、彼はたぶんザスパクサツ群馬は草津で活動してると思ってるんですよ。多分世間の方もそうだと思うんですけど僕らの拠点は前橋で。(加入が)決まった時に「草津に温泉行くから全部案内してね」という連絡が来ました。でも「俺ら草津にいないんで。前橋にいるから」という話をしました(笑)。

でも彼もカンボジア代表(の指揮官)だとかいろんなビジネスをやっていたりだとか、僕からするともう刺激になることしかないですね。彼らと同世代だったし、彼らと一緒のチームでやったっていうのも僕にとってはすごく価値のあるものだったし、これからも…今も生活していてば彼らのニュースは勝手に目に入ってくるのですごく刺激になりますね。