果たして強みを生かせているか?

チームとしてフアンマ・デルガドの決定力を生かす形のほか、機能している攻撃パターンがいくつかある。まとめると以下の通りとなる。

①エースのフアンマに良い形でボールを供給し、ゴールに結びつける
②櫛引一紀を軸としたセットプレーからの得点
③ロングスローからの効果的な崩し

②のセットプレーだが、こちらはセンターバックの櫛引が突如として得点力を開花させている。今季ここまでリーグ戦18試合に出場して4ゴールを決めているが、ゴール数はキャリアハイの数字。プロ13年目、30歳のシーズンで覚醒の時を迎えている。

櫛引の4ゴールはいずれも5連勝の期間に決まっているが、長崎には優秀なプレースキッカーが多く存在する。第10節の徳島ヴォルティス戦でアシストしたクレイソン(ショートコーナーからの右足クロス)、加藤聖(自身が蹴ったコーナーキックの流れから左足クロス)に加え、加藤大(左足)、秋野央樹(左足)や増山朝陽(右足)、クリスティアーノ(右足)、宮城天(右足)と左右のキックで決定機を演出できるのだ。今後もセットプレーからの一発は期待が持てるだろう。

そして、③のロングスローもシンプルながら効果的だ。主なスロワーは増山と岡野洵で、加藤聖も地肩の強さを披露する。ロングスローが特段際立った第13節の水戸ホーリーホック戦では、岡野のロングスローを起点に2得点をゲット。効率的にゴールを重ねてみせた。

町田ゼルビアやブラウブリッツ秋田のように、ロングスローを有効活用するチームが耳目を集めているが、長崎もまたロングスローを取り入れて崩しのパターンを増やしている。