そして、バスケスの移籍が発表される3週間前には、名古屋グランパスより甲田英將を育成型期限付き移籍で獲得。とにかく仕掛けまくるドリブラーで、中原とは異なる強みを発揮して存在感を放っている。

また、絶対的な得点源が不足していたフォワードには、昨季に引き続き染野唯月を鹿島アントラーズから迎え入れた。染野は国立開催となった第25節・町田戦で2ゴールをマークするなど躍動しており、新エースとして期待は大きい。

“ゲームチェンジャー”は誰だ?

第27節・ベガルタ仙台戦を中原輝の活躍で勝利し、2連勝を狙った第28節の水戸ホーリーホック戦。シュート数では9対5と上回った東京ヴェルディだったが、決定力を欠いてスコアレスドローに終わった。

チームを率いる城福浩監督は試合後、露呈した課題を以下のように述べている。

「チームにはケガ人、体調不良といったアクシデントはあったと思うが、あとから出てきた選手が、攻守においてゲームチェンジャーになるチームこそが夏場に勝点3を取れるチームだと思う。そこの課題に向き合いたい」

指揮官が求めたのは、“ゲームチェンジャー”の出現だ。交代選手が試合の流れを変え、自分たちのペースに持ち込んでゴールを奪い、最終的に勝ち点3をゲットする。そんな役割を担えるのは誰になるだろうか。

まず浮かぶのは、ドリブラーの甲田英將と新井悠太だ。臆することなく、とにかく仕掛け続ける両名の姿勢は、対面のディフェンダーからすれば相当イヤだろう。試合終盤の疲労が蓄積された時間帯なら尚更だ。

2025シーズンからの入団が内定している新井は、東洋大在学中の20歳。今年6月に特別指定選手として承認され、第24節のV・ファーレン長崎戦で68分からJリーグデビューを飾った。

この試合で左サイドハーフに入った背番号40は、ビハインドを背負ったチームを救うべく積極果敢なドリブルを披露。89分にカットインからの強烈シュートでプロ初得点を決めてみせた。