過去2度対戦したインドネシアを語る

近年欧米にルーツを持つインドネシア人選手を補強するなど強化を進めるインドネシア代表は、アジア杯GL第1戦はイラク代表に1-3で敗れるも、得点を奪って一矢報いた。第2戦ではベトナム代表に1-0で勝利を収めるなど1勝1敗と強さを見せている。過去2度対戦した佐藤にインドネシアの印象を聞いた。

――インドネシアと2度対戦していますが、インドネシア代表の特徴を教えてください。

サイドに特徴があります。サイドには速い選手がいて、インドネシアは身体能力の高い選手がサイドに多い。今回もイラク戦でアシストした双子の選手がいるんですけど、右サイドからアシストした選手はすごく速い選手です。

あとはパワープレーに特徴があるんじゃないですかね。センターバックに196センチの選手がいて、東京ヴェルディから韓国の水原FCに移籍したアルハンがロングスローを投げられる。アルゼンチン代表との試合を見たときもロングスローからのヘディングで脅威を作れるチームです。チームとして崩してではなく、サイドやセットプレーでチャンスを作り出せるチームという印象がありますね。

――佐藤選手は左サイドバックですけど、サイドの選手と対峙したときは大変そうですね。

最初は大変でしたね。インドネシアリーグはゲームスピードが早いからいい意味でも悪い意味でも「なにも考えずにプレーしている」イメージが自分の中にあった。例えば自分がオーバーラップしたときは、(その)空いたところを誰かが埋めてくれるわけでもなく、それでカウンターを食らったりと。(逆に)自分たちのカウンターも早かったので、最初の2、3カ月は慣れることに苦労しましたね。

タイはしっかりゲームを組み立ててコントロールして、行くときには行く感じです。インドネシアはそこのゲームスピードがすごく早かった。あと特にどのチームにもサイドバック、ウィングバック、サイド、ウィンガーと、すごく小柄で速い選手が多かった。そこに自分も少しアジャストしなきゃいけない時期がありましたね。

――昨年11月にインドネシア代表と対戦して1-1で引き分けました。

試合内容だけ見ても僕たちが勝たなきゃいけない試合でした。ホームで決められるチャンスを多く作ったのは間違いなく僕らでした。最終的には1-1の結果で終わりましたけど、結果以上に勝てた試合というか、自分たちにとっては引き分けたことが痛かった。僕たちにとってやりたいことができたすごくいい試合でしたね。

――相手としてはそこまで強い印象はありませんでしたか。

そうですね。ここ何カ月間インドネシア代表はあまり結果が出てなかった。僕もインドネシアリーグでプレーしているので、どういう状況かは伝わってくるんですよね。だから代表としてすごくプレッシャーがかかっている時期なんですよね。

ジョルディ・アマト

――インドネシアも欧米にルーツのある選手を集めています。東南アジアだとこの路線はフィリピンが先駆者ですけど、他の国も他国にルーツがあるジョルディ・アマトなど選手を集め始めていますね。

インドネシア協会はいますごく力を入れていて、ルーツのある選手はほぼ全員に目を付けて声をかけてどんどん入れています。

いまアジアカップに入っている選手だけじゃなく、10、20人と声をかけて、パスポート申請もしています。協会として2030年のワールドカップ出場を本気で目指している。それがどう転ぶか分からないですけど、時間とお金をかけているイメージがありますね。