酒井高徳

所属クラブ:ヴィッセル神戸

選出理由:「両SBと中盤に対応するベテランがリーグ連覇に導く」

リーグ連覇を狙うヴィッセル神戸において、酒井高徳の存在は今季も頼もしい。

昨季の酒井はリーグ戦29試合に出場し、2ゴールを記録。右サイドバック(以下SB)を主戦場に推進力を生かした力強いプレーでチームをけん引すると、終盤戦では中盤起用にも難なく対応。神戸の歴史的なリーグ優勝に大きく貢献した。

リーグ戦22ゴールをマークし、MVPと得点王に輝いた大迫勇也は文字通り別格だったが、闘う姿勢とプロ意識の高さを随所で見せつけた酒井も、絶対的エースに負けず劣らずの存在感を放ち、「影のMVP」と呼ぶべき活躍を披露した。

17日に国立競技場で行われたFUJIFILM SUPER CUPでは、右SBのポジションで先発フル出場。チームは川崎フロンターレに惜しくも敗れたが、武器とする球際の強さはやはり健在だった。

両SBと中盤で機能する酒井だが、川崎戦の起用法から推察するに、今シーズンも右SBの一番手として、攻守両面での貢献が期待される。

ただ、今季の神戸はリーグ戦・天皇杯・ルヴァンカップに加えて、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)と4つのコンペティションを戦うだけに、状況に応じて複数のポジションで起用されるかもしれない。

タフなシーズンを戦うにあたり、フロントは各ポジションで積極的な補強を展開。中盤はセルティック(※昨季はアビスパ福岡でプレー)から井手口陽介、V・ファーレン長崎から鍬先祐弥と運動量豊富なダイナモを獲得し、戦力アップに成功した。

日本代表経験もある実績十分の井手口が、川崎戦でさっそく起用されるなど計算が立つ一方、J1初挑戦となる鍬先がどこまで通用するかは未知数の部分もある。ケガ人などアクシデントの可能性も考えられる中、非常事態には背番号24が中盤で躍動してカバーするに違いない。