France
2
1-1
1-2
3
Denmark
ビュタン
キタンバラ

28'
68'

得点者
65'
49'
71'
ヨルゲンセン
B・ニールセン
B・ニールセン

3年ぶりの優勝に向けて、フランスはかなりデンマークに合わせた戦術を組んでいた。フォーメーションはこの大会初使用の4-1-3-2。ある程度引き気味に守り、カウンター狙いのデンマークの守備を引き出した上で、ハーフウェー周辺でボール奪取しカウンターを仕掛け返す、というものである。パス回しが上手くないデンマークに対しては、カタールがハイプレス戦術で望んで結果を出していたが、フランスのアプローチは違っていた。おそらく、カタールとは違い「私たちならハイボールを放り込まれても大丈夫」と読み、引いて裏を取られないようにした方が効率的だと読んだのだろう。

だが、フランスにとって誤算だったのは、その守備の能力自体が乏しかったことだ。以前の記事でも書いたが、このチームの構成は非常に攻撃に偏っている。サイドハーフは攻撃専門の選手ばかりが集まっており、ボランチにも守備力に長ける駒が乏しい。今日のワンボランチに入ったシュナイデルリンも例外ではなく、展開力や足元の技術は高いが、アンカーとしてのポジション取りやタックル、インターセプトでは貢献できない。ゴールキーパーも経験が乏しく安定感に欠ける。結局、守りを意識しているにも関わらずデンマークの特別上手いとは言い難い組み立てを許す場面、縦パスを収めさせ攻撃の起点を作られる場面が頻繁に見られたのである。

23分にコーナーキックからマークミスで失点したが、28分には逆にビェランのバックパスミスを利用してビュタンが同点ゴールを獲得。さらに後半になり、49分に右サイドをパス回しで破られてクロスをビレ・ニールセンに決められると、68分にブラヒミの強烈なドリブル突破でディフェンスを破壊、キタンバラにスルーパスが通って再び食らいついた。とここまでは良かったのだが、フランスは70分過ぎ、ロングボールにキーパーのテュラムが不用意に飛び出し、がら空きのゴールにシュートを流し込まれるという大ポカを犯してしまう。

この失点は大きかった。残り時間が少なかったこともあり、デンマークは全員を自陣に戻して守り倒す作戦に出たのである。こうなると、デンマークは元々マークのミスが少なく高さもあり、加えて連携もしっかり組み立てられているため、フランスの攻撃陣がいくら頑張ろうともそう簡単に崩せるわけはないのだ。そして結局シュートすらも打たせてもらえなくなり、得点を取り返せないまま試合終了の時を迎えることとなった。

こうして、開催国フランスに勝利するという金星を挙げたデンマークが決勝へと駒を進めることとなった。3位決定戦、決勝は27日、それぞれ日本時間1:30、4:00に行われる。


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