この10年間、マンチェスター・シティのアカデミーはイングランドでも最高レベルの成功を収めてきた。
それぞれの国でA代表に選出された選手は12人。ユースレベル(大半がU-21代表だ)を含めれば、その数は30人近くになる。だが、この輝かしい歴史も長くは続かないだろう。2007年にタイの元首相、タクシン・チナワットがクラブを買収して以来、噂されていたことが現実になりつつある。
17歳でマンチェスター・シティに入団し、これまで100試合以上に出場しているネダム・オヌオハは、今まさにニューカッスルへ売られようとしている。
オヌオハは「ジョーイ・バートンと一緒にはプレーしたくない」と移籍を拒否したが、どこであれこの夏にシティを去る可能性は非常に高い。「マンチーニは僕のことが嫌いなんじゃないか」と不満を漏らしたように、試合に出られない現状へのストレスがたまっているのだ。
同じDFのマイカー・リチャーズとデドリク・ボヤタも似たような状況にいる。
リチャーズは18歳でA代表にデビューし、アリエン・ロッベンを完封して一躍注目を浴びた。2007-2008シーズンの8月には月間最優秀選手賞も獲得。しかし、彼のプレーはマンチーニのお気に召さないようで、今や移籍市場で通販の小鉢セット(「この商品をお買い上げいただけたら、ついでにこの素敵な小鉢もお付けします!」)のような扱いを受けている。
今シーズン、クラブの最優秀若手選手に選ばれたボヤタは18歳のベルギー人で、マルセル・デサイーに似たパワーとスピードが魅力の選手。だが、クラブはオヌオハの代わりにニューカッスルに行かせようと考えているようだ。