大会2日目は優勝候補のグループBアルゼンチンが白星発進。同じグループBの韓国代表はギリシャ代表を2-0で一蹴と幸先良いスタートを切りました。グループCの1試合はイングランド代表がアメリカ代表と1-1のドロー。GKのミスによる失点で苦しいスタートと言えるでしょう。大会3日目はグループCの残り1試合とグループDの2試合が行われます。

前日のイングランド対アメリカが引き分けた事で、この試合に勝つ事はグループ首位に浮上する事を意味します。アルジェリアとスロベニアは勝利に対する思いを強くしたでしょう。アルジェリア代表は24年ぶりのワールドカップ出場。エジプトとの激しい出場権争いを経て得た本大会の切符です。チームの中心はアブデルカデル・ゲザルでしょう。イタリアのシエナでプレーするゲザルは、セリエAの激しいディフェンスで揉まれており、シエナでも中心的な選手として攻撃を牽引しています。弱小チームでの戦いに慣れているゲザルとすれば、格上との対戦は「いつものこと」です。シエナでの活躍同様、重要なゴールを決めるのではないでしょうか。

スロベニアは2大会ぶりの出場です。人口は大会参加国中最小の200万人ですが、労を惜しまぬハードワークが売り。欧州予選プレーオフでは下馬評を覆してフース・ヒディンク監督率いるロシアを退けてきました。旧ユーゴ諸国の中ではマイナーな存在であり旧ユーゴ系の派手さは無いものの、規律の取れたゾーン・ディフェンスは、隣国イタリアの香りを感じることができます。GKのサミール・ハンダノヴィッチはセリエAのウディネーゼでプレーする好選手。鋭い反射神経に基づいたセービングに注目です。

【Match 8】 セルビア VS ガーナ

グループDの初戦はセルビア代表対ガーナ代表。セルビア代表はセルビアとして独立後は初出場。旧ユーゴ系の本流としてカウントすれば通算11大会目の出場です。対するガーナ代表は前回大会の初出場に続くワールドカップ本大会出場です。

セルビア代表は今大会のダークホース候補だと考えている方も多いでしょう。各ポジションに欧州で名の通った選手が登録されているからです。キャプテンとして挑むMFデヤン・スタンコヴィッチはインテルの3冠に大きく貢献しました。ウィンガーのミロシュ・クラシッチは来季の移籍先が注目される選手であり、日本代表本田圭佑の同僚です。左SBのアレクサンダー・コラロフはレアル・マドリーやマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が噂される攻撃的な選手です。そして、マンチェスター・ユナイテッドのネマニャ・ヴィディッチ、チェルシーのブラニスラフ・イヴァノヴィッチはワールドクラスのDFです。テクニックもフィジカルも備えた選手達が織り成す攻撃サッカーに注目です。

ガーナ代表は中盤の核、マイケル・エッシェンを欠いてのワールドカップとなってしまいました。しかし、“アフリカ大陸のブラジル”と呼ばれるガーナ代表にはエッシェン以外の選手も高い能力を持っています。セリエAで長く活躍するステファン・アッピアー、インテルの爆弾サリー・ムンタリら前回大会の中心選手に加え、昨年のU-20ワールドカップで優勝した若手も台頭してきました。中盤で注目するのは左サイドのクワドゥ・アサモア。高い技術と得点力を兼ね備えています。また、同U-20ワールドカップを制覇したメンバーであるFWのドミニク・アディアーも注目の選手。MVPと得点王を獲得してACミランへの移籍を果たしており、大会中にブレイクする可能性のある選手です。初戦の堅さはあるやもしれませんが、活きの良い若手が伸び伸びプレーできれば、初出場でベスト16へ進んだ前回大会の再現もあるかもしれません。

【Match 7】 ドイツ VS オーストラリア

3日目の最終試合は3度目の世界制覇に挑むドイツ代表と、アジア予選を無敗で通過したオーストラリア代表の試合です。

ドイツ代表はミヒャエル・バラックがシーズン最後の試合で負傷。無念のワールドカップ欠場となりました。頼れるキャプテンを失いましたが、ドイツの堅実なサッカーは健在。派手さは全くありませんが、パワフルな選手が多く、若手も多数台頭してきました。注目はバイエルンのトーマス・ミュラーでしょう。FW、トップ下、サイドハーフとしてプレーできる超新星であり、今季のバイエルンの躍進に大きく貢献した選手の一人です。また、攻撃的MFを務めるメスト・エジルは現代表に欠けていた創造性を感じさせてくれる選手。スルーパスやドリブルが特徴的であり、2列目からの飛び出すセンスも抜群です。また、「所属:ドイツ代表」と言って過言ではないミロスラフ・クローゼとルーカス・ポドルスキ。ワールドカップ男のクローゼは、現役最多得点記録を持ち、大会中にどれだけ伸ばすか注目を集めています。個人的にはブラジルから帰化したカカウにも注目しています。高いテクニックを披露する選手ではありませんが、パートナーを活かしここぞでゴールを奪う事ができる選手です。優勝を狙うレーヴ監督にとってはジョーカー的な存在でしょう。

オーストラリア代表は日本代表と同居したアジア最終予選を無敗で通過しました。失点も日本戦での1ゴールのみという好成績。今大会も4年前同様に旋風を起こす事を狙っていますが、チームは4年間で弱体化したと言わざるを得ません。主力のハリー・キューウェル、ティム・ケーヒル、マルク・ブレシアーノは4年の月日で衰えた感は否めず、マーク・ヴィドゥーカ、ジョン・アロイージの抜けたFW陣は一回りスケールダウンした格好。名古屋グランパスに所属するジョシュア・ケネディの奮起に期待したい所です。4年前とほぼ変わらないのはDFラインも同じです。フース・ヒディンクの名参謀だったピム・ファーベーク監督の采配と、4年前の成功を噛みしめるベテラン勢の奮起がオーストラリアの命運を握るでしょう。

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