Slovenia
0
0-1
0-0
1
England
得点者
23' デフォー


FIFA.com 選定 Qoly.jp 選定
デフォー(イングランド) デフォー(イングランド)

最初の15分間、スロベニアはイングランドを術中に嵌めていた。スロベニアはややラインを低く保ち、本来FWのノヴァコヴィッチをトップ下に起用。中盤の密度を高くし、ルーニーへのボールをことごとく奪っては効果的に前線につないでイングランドを脅かす。イングランドは前線にボールが入らない。

改善されたのは、ルーニーとジェラードが左サイドのやや低い位置でボールを速く回し始めてから。徐々にサイドのマークがゆるくなり、良質のクロスが入り始める。23分、ミルナーが右サイドから素晴らしいクロスを入れると、デフォーがDFを振り切って合わせて先制点を叩き込む。前回大会からチャンスを待ち続けてきたデフォーが、ようやく訪れた機会を確実に捉えた。

この得点でイングランドがペースを掴み、持ち前の速く、ダイレクトなサッカーでチャンスを量産する。デフォーが相手DFラインを引っ張り、ジェラード、ルーニー、ランパードが走力でスロベニアの中盤を圧倒。スロヴェニアはノヴァコヴィッチをFWに上げ、彼のポストプレーを軸に反撃を図るも、司令塔コレンが満足にボールに触らせてもらえない。

後半も勢いそのままに決定的なチャンスを何度も迎えたイングランドだが、決めきれない。しかるべきときにリードを広げておかないと、ツケを払わされるのがサッカーの常。スロベニアの直線的な攻撃―単純なクロスやロングボール―が後半半ばになって実を結び、23分にはノヴァコヴィッチ、40分過ぎにはマタヴジュに決定的なチャンスが訪れた。テリーとジョンソンの必死の守りが間一髪でイングランドを救ったが、本来ならリードを確実に広げて横綱相撲をすべき試合。イングランドが世界トップレベルとは言えないことが、改めて明白になった。

試合自体は、運動量の落ちたスロベニアに対し、J.コールを投入して中盤を固めたイングランドが試合を支配しながらも追加点を奪えず終了。裏のアメリカvsアルジェリアがアメリカ勝利に終わったため、スロベニアはグループ1位から一転して予選グループ敗退という結果になった。「オシムが絶賛」というキャッチフレーズもあながち外れではないと思わせる、練り上げられた組織と規律がある好チームだったが、DFラインが踏ん張りきれなかった。

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