USA
|
1
|
0-0
1-0 |
0
|
Algeria
|
---|
ドノヴァン | 90+1' |
得点者
|
---|
FIFA.com 選定 | Qoly.jp 選定 | |
ドノヴァン(アメリカ) | アルティドア(アメリカ) |
1次リーグ突破を賭けた試合は互いの攻撃戦術がぶつかり合う展開となり、終了間際の得点でアメリカが勝利をあげる結果となった。
前半に先手を取っていたのはむしろアルジェリアである。アメリカがコンパクトにしてくると読み、中央への無理な縦パスは反撃を受ける可能性を考えて禁止し、角度を付けた裏へのロングボールとサイド攻撃で仕掛けていった。加えてジアニ、マトムールの2人がジェブールの周囲で自由に動き、マークされにくいポジションでボールを上手く収めていた。
だが、これが大きくリスクを抱えた戦術であったことも確かだった。アルティドアのスピードを警戒するため3バックは低い位置に留まってしまう上、ジアニとマトムールが自由に動くため、ボランチ2人の周囲がぽっかり空いたのだ。バイタルエリアに絞ってくるドノヴァンにボールを収めさせる上、ブラッドリーとエドゥに全くマークが付かない状態で、攻めていた反面ピンチも多かったのである。
そして後半、ブラッドリー監督が動いた。まず後半スタートと同時にフェイルハーバーを投入し、「左サイドだが中央に絞ってポジションを取る」という変則的な動きをさせた。さらにデンプシーとアルティドアに2トップを組ませ、彼らを囮にし、あらかじめ左サイドにスペースを空けさせたのだ。攻撃になるとそこへアルティドアやデンプシーがすっと入っていく。また右寄りに布陣を作ったことで、ベルハジの攻撃参加も抑えられ、彼が攻撃参加すれば裏も取れる。
ブラッドリー監督はさらにこの戦術を強化、かつリスクを背負っても点を取る方向にシフトしていく。65分には中盤の底を担当していたエドゥを下げてトップにバドルを投入し、右サイドの攻撃力を増加させ、守備はフェイルハーバーのカバーと最終ラインに任せた。加えて80分には戦術上空けさせることに成功した左サイドにビーズリーを投入し、「ギャンブルではあるが論理的」な采配を打ってきた。
アルジェリアにカウンターから何度もサイドを崩されつつも、それ以上に攻撃を加えて押し込み、相手に「4バック気味になって守備をさせる」「中盤の選手を投入させる」という対応を余儀なくさせた。試合の先手を奪い取った格好だった。
そしてついにロスタイム、カウンターからベルハジの裏に飛び出したアルティドアからの低いクロスを、ニアでデンプシーが潰れて繋ぎ、攻撃の起点となったドノヴァンが詰めてゴール。最後の最後で試合を決めた。