11月以来、11試合で勝ち点わずか13。チャンピオンズリーグ出場すら危ぶまれる状態のチェルシーだが、たとえスランプを脱したとしても、見通しは暗い。主力のほとんどは30代かそれに近い状態で、若手の台頭が進んでいないのだ。ミケル(22歳)、カルー(25歳)、イヴァノヴィッチ(26歳)にはプレミアのメインアクトを務めるほどの力はなく、今季獲得したラミレス(23歳)はまったく期待に応えられていない。金融危機以降オーナーのR.アブラモヴィッチが財布の紐を締めている中、チーム内の新陳代謝がなければ今後苦しい状態が数年は続くだろう。

若手がいないわけではない。チェルシー・ユースは2009-10シーズンにFAユースカップを制しており、ユース世代の力はイングランド随一。しかしC.アンチェロッティ監督は彼らを実戦で試すことに消極的で、ユース組のうち何人かはすでに移籍を考えていると伝えられている。

その一人がイタリアU-19代表のファビオ・ボリーニだ。昨シーズントップチームに昇格し、FAカップでまずまずのプレーを見せたこのストライカーは、契約延長のオファーを断りパルマへの移籍を望んでいるという。

ユース組の中で出場機会を得ているのはジェフリー・ブルマとガエル・カクタの二人。南アフリカW杯のメンバー入りがささやかれたブルマと、昨年のU-19欧州選手権でMVPを獲得したカクタはユースの中でも別格ということなのだろう。確かに彼らは実力ある若手選手で、ユースの中でも将来が最も期待できる選手と言える。しかしその他のユースメンバーにも試すに値する選手はいる。

たとえば左利きのドリブラー、ギョクハン・トレや、キャプテンとしてFAユースカップを制したコナー・クリフォード、レディングにレンタルされているライアン・バートランドは、アーセナルでA.ヴェンゲルが度々起用している若手選手たちと比べても劣らない力を持っている。

ホームグロウン・ルールが適用され、アブラモヴィッチの財力も以前ほど当てにできない今、チェルシーの首脳陣はせっかく育った若手をわずかばかりの移籍金に替えることよりも、数年後を見据えた選手起用に力を注ぐべきだ。

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