2004年7月31日(土) - 重慶オリンピックスタジアム
Japan
1
1-1
0-0
PK4-3
1
Jordan
鈴木 14'
得点者
11' シェルバイエ

AFCアジアカップ2004準々決勝。重慶で行われたこの試合は、日本代表がアジアカップで戦った試合で5本の指に入る名勝負と言えるだろう。

この大会、グループステージを2勝1分けで突破した日本は、グループBを韓国に次いで2位通過したヨルダンと準々決勝で対戦。実力的に日本の優位が予想されたが、試合は11分にヨルダンのシェルバイエに先制点を奪うと、14分に日本の鈴木隆行に同点ゴールが生むが、そこからは拮抗した展開が続き、延長戦を含めた120分を戦っても決着は付かず。こうして今も尚語り継がれるPK戦へと突入する。

日本のキッカーは、一番手が中村俊輔、2番手が三都主と、キックの正確な選手が並ぶも、二人は揃って軸足を滑らしてしまいシュートをふかて失敗。逆にヨルダンのキッカー二人はきっちりと成功させ、0-2と早くも危機的状況に陥ってしまった。しかしここでキャプテン宮本恒靖が動く。主審に対し足場の悪いエンドでPK戦を行うのはアンフェアだと抗議を行った。その主張は認められ、サッカーの試合では異例のPK戦中のエンドチェンジが行われた。語学力に長けた宮本ならではのファインプレーだった。PK戦再開後、3人目の福西とハティムはそれぞれ成功させたが、ヨルダンは4人目以降全てのキッカーが失敗してしまう。対し、日本は中澤を除く全てのキッカーがきっちりと決め、PK戦の最終スコア4-3で勝利を手にした。

もちろんこの劇的勝利は、相手キッカーの4人目、6人目を止めた川口能活のビッグセーブ無くしては語れない。だが宮本が見せた機転を利かせたファインプレーもまた、川口のセーブと同等の価値があったのかもしれない。なぜならエンドチェンジには物理的な変化以外に相手チームのメンタルにも影響を与えていた。後にヨルダンの監督がコメントしていたように、この中断により、良い流れでPK戦を進めていたヨルダンの選手達の集中力は切れてしまいキッカーの失敗に少なからず関係があったのだ。こうして川口や宮本を中心に各プレーヤーがそれぞれの役割をこなし激戦を制した日本は、バーレーンとの準決勝へと駒を進めた。

(筆:Qoly編集部 Y)



【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手