有望な選手を招き入れるには、それ相応の代償(コスト)がかかるものだ。世界的な選手となれば、数十億かかることはざらである。そのため、クラブはなるべく支出を抑えるため、シーズンを限定した「ローン移籍」や選手の契約切れを待った「フリートランスファー」などを有効的に用いる。そして、近年、横行している手法が選手がプロ契約を結ぶ前に呼び寄せる荒技。言うならば、意味は多少違うが「アマチュア移籍」といったところか。選手がプロになる前(=アマチュア)の状態で声をかければ、無論、相手の所属クラブに払わなければならない移籍金を回避できる。アーセナルがこのやり方でバルセロナからセスクを獲得したのは有名な話だ。

そして、アーセナルは再びこの裏技で若き才能の獲得を狙っている。対象はセスクと同様にバルセロナのマシアに所属する16歳ジョン・ミケル・トラル・ハーパーである。トラルはイギリス人の母を持つが、ユースではスペイン国籍を選択し、現在はU-16スペイン代表としても活躍する逸材で、噂によれば、既にアーセナルは獲得に必要な補償金(約35万ユーロ)を用意し、契約合意に近づきつつあるとのことだ。

だが、バルセロナ側も黙っているわけにはいかず、会長のサンドロ・ロセルも「彼らは非合法ではないが、非常識と言わざるを得ない」と牽制。アーセナルのやり方に釘をさしている。しかし、バルセロナとしてはトラルを説得して流出を防ぐことぐらいしか対抗策を持てないのが現実。物の見事に奪われていったセスクの二の舞は避けたいところだろうが・・・。

※トラルのプレー動画

(筆:Qoly編集部 T)

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