UAE1部リーグに所属するアル・アハリが先週の4月22日にディヴィッド・オレアリー監督、およびアシスタントコーチのロイ・エイトケンを解任したと発表した。
オレアリー氏はかつてリーズ・ユナイテッドやアストン・ヴィラで指揮を執ったことで有名なイングランド人指揮官。00/01シーズンのチャンピオンズリーグではリーズを準決勝まで導き、一躍名将の仲間入りを果たした。05/06シーズンにアストン・ヴィラを去って以降は休養していたが、昨年7月にアル・アハリと3年契約を結び監督に就任、現場に復帰した。
しかし、チームは序盤から低迷。一昨年のリーグ王者であり名門として知られるアル・アハリにとっては屈辱的な順位に沈んだ。
チームのエースであったFWバレー(元ガンバ大阪、甲府、大宮)をライバルであるアル・ジャジーラに放出。そして新たな主軸と期待したU-20代表FWアハメド・ハリル(広州アジア大会UAE代表のエースである)とその兄ファイサル・ハリルは、25試合でわずか5得点と不発。キャプテンに迎えられた元イタリア代表ファビオ・カンナヴァーロは膝の怪我の影響で満足なパフォーマンスを維持することが出来ず、フェイエノールトから獲得したカリム・アル・アフマディも活躍できず。
クラブ主導のプランが崩壊する中、オレアリー氏は冬に外国人選手を補強し、アハメド・ハリルからレギュラーの座を取り上げた。しかしクラブの首脳陣は、チームのシンボルであるアハメド・ハリルを冷遇する指揮官に激怒。現場とフロントの間で激しい衝突が起こった。
そして先月末に行われたアル・ジャジーラとの一戦で、アル・アハリは5-1と惨敗。既にこの頃には解任は決定的と言われていたが、22日についに正式に解任が発表された。就任からわずか8ヶ月での決断であった。
アル・アハリは暫定監督にアブドゥルハミド・アル・ミシュティキを据え、今日27日夜に新指揮官の初陣となるドバイ・クラブとのアウェイゲームを迎える。
しかし前途は決して明るくない。4月に入ってから膝の負傷が悪化しているファビオ・カンナヴァーロは既に欠場が決定。さらにGKのユーシフ・アブドゥラが目の感染症に罹り、プレーが不可能な状態にある。苦しい状態の中、アル・アハリは果たして新たなスタートを切ることが出来るだろうか。
(筆:Qoly編集部 K)