トップデビューから2ヶ月、わずか1試合の出場でフットボールの世界から足を洗うことを決めた24歳のDFハビ・ポベス。
選手時代、給与を銀行振り込みにすることを拒否し、さらにスポンサーから選手に提供されていた車のキーも返却したというポベスは現在マドリッドにある実家に身を寄せている。
―私たちが生きていく上でまず最初に変えるべきことは?
―今現在、何かプランはありますか?
―今回のことについてご家族はどう受け止めていますか?
―C・ロナウドやメッシような選手はもっと社会のために事を起こすべきだと思いますか?
また、発展途上国からやってくる選手たちが置かれている苦しい状況を変えたいとも語ったポベスは先頃レアル・マドリーが7歳の少年と契約を結んだことを危惧するようなコメントも発した。
「選手たちは来る日も来る日も金を稼ぐために戦うエゴイストのように見られている。でも、それは彼らのせいじゃないんだ。それ(=金)以外には信じるものはないとプログラムされるのさ。若い頃からこういう価値観を教え込まれることによってね」
昨シーズン、ポベスがトップチームの試合に出場したのは最終戦の後半33分からというほんのわずかな時間だけだ。本職のCBではなく左SBとしてサイドを駆け上げる彼がまさかこんな事を考えていたとは思いもしなかった。
残念ながらフットボール界に限らず社会はキレイ事だけではやってゆけない。けれど、その風貌に見合わずピュアな心を持つポベスにはフットボールの世界はあまりに居心地の悪いものだったのかもしれない・・・。