1月21日、アフリカ・ネイションズカップが開幕。ナイトゲームで優勝候補と言われたセネガルを0-1で破り、世界に大きな驚きを与えたザンビア。さらに2月9日には準決勝でガーナを撃破。ついにファイナルまで辿り着いて見せた。

それを率いるのは43才のフランス人指導者、エルヴェ・ルナール(Herve Renard)監督である。彼の名は国際的にはほとんど知られていない。プロ選手としての経験は皆無で、大きなリーグで有名なチームを率いたこともない。

15才で名門カンヌの下部組織に入団したものの、トップチームに昇格することは出来ず、アマチュア選手としてプレー。しかしサッカー界への夢を諦めきれず、30才で指導者の道を志した。

下部リーグで指導経験を積んだ後、2007年にクロード・ルロワ(※)のアシスタントに就任した事が切っ掛けとなり飛躍。2008年にはザンビアの代表監督に抜擢され、2010年大会でGL突破に成功。一度職を離れたが、昨年10月に復帰しアフリカネイションズカップの舞台に戻ってきた。

(※主にアジア、アフリカ各国で指揮を執った名監督。今大会は解説者としてメディアに出演中)

そんな無名のイケメン監督が大陸の頂点に立とうとしている。彼にロイター通信が電話インタビューを行った。

エルヴェ・ルナール

「私は選手名鑑には含まれていないだろうね! 8年間ゴミ掃除をして、そしてネイションズカップの決勝で指揮を執るわけだ。サッカーはまるで魔法みたいだよ」

「(カンヌ時代は)私の頂点だったね。でもデサイーやデシャンなどのトップ選手と一緒にプレーして、すぐに自分はヘタなんだと気付かされた。結局平均的な三流の選手に落ち着いたよ」

「アマチュア時代の事は良く覚えている。毎朝3時に起きて、ビル掃除をしていた。辛かったけど、その経験は今とても役に立っているよ」

「我々のプレーヤーのほとんどは、マンチェスター・シティのようなトップクラブに所属している者たちとは全く違う環境にいる。しかし、私はいつも自分を信じている。今我々は決勝戦でプレーし、そして勝たなければならない。例えどんなことがあろうが、ね」

ザンビアとコートジボワールが戦うアフリカネイションズカップ決勝戦は、2月12日現地時間20時30分(日本時間深夜4時30分)にキックオフされる。

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