【更新内容】 テストマッチのフォーメーションを追加

“ゼニト・スタイル”で4年前の再現を狙う

前回大会ベスト4のロシア。その立役者である名将フース・ヒディンクは、2010年に契約満了で退団。後任には同じオランダ人監督で、ゼニトをUEFAカップやリーグ優勝に導いたディック・アドフォカートが指名された。必然的に現在の代表チームは当時のゼニトに在籍していた選手を中心に構成されており、戦い方も完全に“ゼニト・スタイル”を踏襲している。

ロシア代表の顔といえば、EURO2008で鮮烈な印象を残したアンドレイ・アルシャヴィンだが、「皇帝」と呼ばれた彼も今月29日で31歳。今年2月にローンで復帰したゼニトでも以前ほどのキレは見られず、前回大会のようなパフォーマンスは期待できない。代わりに頭角を現してきたのが、本田圭佑の同僚としてお馴染みのアラン・ザゴエフ。クラブでは自分本位のプレーで空回ることが少なくない彼も、受け手側の意識が高い代表チームのスタイルには非常にマッチしており、本大会で期待がかかる一人・・・だったのだが、3月に足の指を骨折。既に復帰はしているものの、万全の状態でEUROに臨めるかは不透明な状況だ。

守備陣では、予選で主力を務めたヴァシリ・ベレズツキが太ももの怪我で離脱。ただ一方で、守護神のイーゴリ・アキンフェエフが昨年8月に負った左ひざ十字靭帯損傷から4月に復帰しており、マラフェエフとのポジション争いに注目が集まる。運動量をベースにした守備は予選でわずか4失点と実績を残しているだけに、V・ベレズツキの穴を双子の弟、アレクセイ・ベレズツキや、ベテランのシャロノフが埋めることができれば計算は立つはずだ。

また、前回のEUROで大会直前にチームに加わったセルゲイ・セマクが中心選手として活躍したことは記憶に新しい。25日に行われたウルグアイとのテストマッチでは、アドフォカート体制で初招集となった懐かしのマラト・イズマイロフが右サイドで先発出場。豊富な運動量でボールを引き出し、積極的に仕かける姿勢が目を引いた。ベテラン揃いではあるがその分経験値は高く、比較的組み明けに恵まれたグループステージでお家芸の“慢心”が顔をのぞかせなければ、再び上位進出を狙える存在だろう。

アドフォカート監督は26日、本大会に出場するロシア代表23名を発表。ヴァシリ・ベレズツキとシシュキンの離脱で24名となっていた登録メンバーから、オズドエフ、ジュバが落選。逆に怪我人の相次いだDFに、CSKAモスクワの右サイドバック、代表キャップゼロのナバブキンが電撃招集された。

#名前所属クラブ生年月日身長/体重
GK
1 イーゴリ・アキンフェエフ
(Igor Akinfeev)
CSKAモスクワ 1986/04/08 185/78
13 アントン・シュニン
(Anton Shunin)
ディナモ・モスクワ 1987/01/27 191/81
16 ヴヤチェスラフ・マラフェエフ
(Vyacheslav Malafeev)
ゼニト 1979/03/04 185/76
DF
2 アレクサンドル・アニュコフ
(Alexsandr Anyukov)
ゼニト 1982/09/28 178/67
3 ロマン・シャロノフ
(Roman Sharonov)
ルビン・カザン 1976/09/08 184/76
4 セルゲイ・イグナシェヴィチ
(Sergei Ignashevich)
CSKAモスクワ 1979/07/14 186/82
5 ユーリ・ジルコフ
(Yuri Zhirkov)
アンジ・マハチカラ 1983/08/20 178/70
12 アレクセイ・ベレズツキ
(Aleksei Berezutski)
CSKAモスクワ 1982/06/20 190/82
19 ウラジーミル・グラナト
(Vladimir Granat)
ディナモ・モスクワ 1987/05/22 184/75
21 キリル・ナバブキン
(Kirill Nababkin)
CSKAモスクワ 1986/09/08 184/74
MF
6 ロマン・シロコフ
(Roman Shirokov)
ゼニト 1981/07/06 183/80
7 イーゴリ・デニソフ
(Igor Denisov)
ゼニト 1984/05/17 176/70
8 コンスタンティン・ジリャノフ
(Konstantin Zyryanov)
ゼニト 1977/10/05 176/72
9 マラト・イズマイロフ
(Marat Izmailov)
スポルティング
(POR)
1982/09/21 173/70
15 ドミトリ・コンバロフ
(Dmitri Kombarov)
スパルタク・モスクワ 1987/01/22 181/70
17 アラン・ザゴエフ
(Alan Dzagoev)
CSKAモスクワ 1990/06/17 179/70
18 アレクサンドル・ココリン
(Aleksandr Kokorin)
ディナモ・モスクワ 1991/03/19 182/72
22 デニス・グルシャコフ
(Denis Glushakov)
ロコモティフ・モスクワ 1987/01/27 178/72
23 イーゴリ・セムショフ
(Igor Semshov)
ディナモ・モスクワ 1978/04/06 170/69
FW
10 アンドレイ・アルシャヴィン
(Andrei Arshavin)
ゼニト 1981/05/29 172/69
11 アレクサンドル・ケルジャコフ
(Aleksandr Kerzhakov)
ゼニト 1982/11/27 176/76
14 ロマン・パヴリュチェンコ
(Roman Pavlyuchenko)
ロコモティフ・モスクワ 1981/12/15 188/78
20 パヴェル・ポグレブニャク
(Pavel Pogrebnyak)
フルアム
(ENG)
1983/11/08 188/91

フォーメーション

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ウルグアイ戦(1-1)で輝いたのは中盤のシロコフ。絶妙なタイミングでの飛び出しや意表を突いたパスなど、ザゴエフ不在で単調になりがちだった攻撃に変化を加えていた。気になるDFラインは、前半がA・ベレズツキ、後半はシャロノフがイグナシェヴィチのパートナーを務め、いずれも大崩れはなし。正GKはマラフェエフが有力か。

(筆:Qoly編集部 O)

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