▼日本テレビは「悪」か

結論の前に述べておく。私はサッカーを愛しているし、日本サッカーの繁栄を純粋に願ってもいる。今回の日本テレビの対応は一人のサッカーファンとして残念であったし、日本テレビのサッカー中継のクオリティについてはもう擁護のしようがないと心の底から呆れてもいる。

それでも、日本テレビのとった録画中継という策は批判できないものだと言うしかない。 なぜか。それは、日本テレビの放送が地上波民間放送サービスという極めて公共性の高いものだからだ。

地上波放送は、地上の電波を介して映像が送信される。電波の取り扱いは日本では総務省が一括で管理しており、利用者が制限された貴重な資源(公共財)だと解釈されている。さらに地上波民放会社のビジネススタイルは、番組に協賛してくれるスポンサーの存在を前提としている。つまり、出来るだけ多くの層にとって有益であり、スポンサー側からも投資の価値があると判断された場合に初めて、地上波放送の番組は成り立つのである。

では、なぜ日本テレビは高校サッカー決勝戦を生中継で放送しなったのだろうか?