Annual Review Football Finance 2013

世界有数の監査法人、『Deloitte』はこのほど2011-12シーズンのフットボール界の財政事情についての分析結果を発表した。

そのデータをまとめたinfographicがこちら。

Annual Review of Football Finance 2013

それによればヨーロッパ全体のマーケットは194億ユーロで前年比11パーセントのアップとなり、主要5リーグ(英、独、西、伊、仏)の占める割合はそのうちの48パーセント(93億ユーロ)だったそう。

トップは英プレミアリーグの29億ユーロ(前年比16%アップ)で2位の独ブンデスリーガに10億ユーロの差をつけるダントツの数字だった。

そのブンデスは19億ユーロで国内経済の強さが反映され、クラブの総収益のほぼ半分がコマーシャルやスポンサー契約によるものだったそう。ブンデスリーガのクラブの平均収益が約1億ユーロ(7%アップ)だったのに対し、プレミアリーグのクラブのそれは1.46億ユーロだった。

来季2013-14シーズンのブンデスリーガのクラブは国内放映権料の微増などもあって収益アップが見込まれるが、プレミアリーグは国内外の放映権料が相当な額になることから、ブンデスよりさらに上を行くとされている。

3位と4位となったリーガ、セリエAは苦しむ国内経済の状況を反映したものになっていて、リーガでは全収益の56パーセントに当たる10億ユーロがバルセロナとレアル・マドリーに関連するものでかねてから指摘されているように、他クラブとの二極化が顕著となっている。

一方、セリエAは全収益のうち放映権料の占める割合が最も多い(59%=9億ユーロ)傾向が続いているのに対し、観客収入の割合は低く3パーセントダウンの12パーセントだった。そのなかで、新スタジアムを建設したユヴェントスはこの傾向に抗うように観客数と観客収入を伸ばしたそう。

5位となった仏リーグ1(11億ユーロ)においても、観客収入の占める割合は低く、11パーセントに留まった。ただ、フランスはEURO2016の開催地であることから、今後(ユヴェントスのような)スタジアムへの新たな投資によって、観客数と観客収入の増加が見込まれるとしている。 また、全体で前年比9パーセントの増加となったものの、それはほとんどPSGによるものだったそうで、PSGは収益を120パーセントも伸ばしたという。

この主要5リーグに次ぐのはロシア(6.36億ユーロ)、トルコ(4.44億ユーロ)、オランダ(4.34億ユーロ)で、イングランド2部のチャンピオンシップは7位にあたる5.88億ユーロだったとか。

また、2011-12シーズンの主要5リーグにおける給与総額も軒並み上昇したが、収益に比べるとその伸び率はわずかに低かったそうで、そのため収益における給与額の比率は維持または縮小となり、収益性の改善につながったそう。

〔給与総額;大きい順に、プレミアリーグ=20億ユーロ(前年比16%増)、セリエA=12億ユーロ(2%増)、リーガ=11億ユーロ(3%増)、ブンデス=10億ユーロ(3%増)、リーグ1=8千万ユーロ(8%増)〕

この点でもドイツは突出した数字を残しており、給与総額は前年比で3パーセント上昇したものの、その額は収益の増額の25パーセント未満にとどまっており、収益全体における総額額の割合は51パーセントに減少。 ブンデスのクラブの給与額の平均は5300万ユーロだったのに対し、プレミアリーグの平均は1億2百万ユーロ(収益の7割)だった。

主要5リーグにおいて、ここ5年連続で営業利益を出しているのはブンデス(2011-12シーズンは1.9億ユーロ)、プレミア(11-12は1.21億ユーロ)だけ。

リーガでは、レアル・マドリーとバルセロナの収益に対する給与の割合は適切な数値である47パーセントに減ったものの、それ以外の18チームでは77パーセントにまで跳ね上がっている。

セリエAは主要5リーグにおいて、収益に対する給与の割合が最も高く(75%)、営業損益(1.6億ユーロ)も最も多いそうで、収益性の悪化の傾向も続いているという。 一方、リーグ1の営業損益は6700万ユーロだったが、昨季と比べて改善がみられたという。

2011-12シーズン、イングランドのトップ4ディヴィジョンの計92クラブの総収益は初めて30億ポンドを超えた。プレミアリーグ(23.6億ポンド)のうち、最高はマンチェスター・ユナイテッドの3.2億ポンドで最少はウィガンの5,300万ポンドだそう。

また、11-12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに参戦した4チームを含む6クラブが平均(1.18億ポンド)を上回る収益をあげたそう。 チャンピオンズリーグは各クラブに3,000万ポンドの収益を生み出し、優勝を遂げたチェルシーのそれは7,000万ポンドに上ったそう。

プレミアリーグにおいてコマーシャル収益は11-12シーズンに増加した主なエリアでその伸び率は15パーセントで、マンチェスターの2クラブが締結した新たなスポンサー契約が大きく影響したそう。 一方、放映権料は1%増、観客収益は1%減とわずかに変化があっただけだった。

プレミアリーグの2012-13シーズンの収益は24.8億ポンド(5%増)になると見込まれており、翌2013-14シーズンは新たな放映権の契約がスタートするためさらに6億ポンドを上積みされて30.8億ポンドに到達するとされている。

 

【↓比較;2010-11シーズン】

Annual Review of Football Finance 2012

 

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