ベルギー代表の欧州予選は順調だった。クロアチアやセルビアが同居するA組を8勝2分の無敗で通過。中でも特筆すべきは失点の数で、10試合を戦っての4失点は最少タイ。コンパニやヴェルマーレン、ヴェルトンゲンといった世界レベルのDFを多数抱えていることもあるが、中盤でブロックを組む守備組織はきわめて強固である。
予選で繰り返し見せた得点パターンは、カウンターであった。アンカーのヴィツェルがボールを奪い、そこから縦にひたすら早い攻撃で相手の守備をきりきり舞い。ヴィツェルのパス供給能力、ベンテケの強さ、アザールの速さなど、これらが全て噛み合った時のベルギー代表のカウンターは破壊力抜群だ。
そんなベルギー代表も2013年は連敗で終えた。中でも日本代表との試合では数年ぶりに3失点を喫したが、キャプテンのコンパニも不在であり、どこか身体が重く攻撃のスイッチがなかなかかからなかった。あれがベルギーの本来の姿でなかったことは確かだが、過大評価されすぎていたこともまた確か。グループHを通過した場合、決勝トーナメント1回戦でドイツかポルトガルと当たる可能性があるため、なかなか厳しい巡り合わせだが、ノルマはベスト8といったところか。