前回コラムはこちら。「【コラム】「守れないプレミアリーグ」を振り返る。(10位~6位)

いよいよCL圏内を含む上位5チーム。長い道のりだった。この辺になると、あんまりネタがないところも出てくるのがちょっと残念である。


5位 エヴァートン @Everton

守れないプレミアリーグにおいて、デイビッド・モイーズがコツコツコツコツ地道に作り上げた地盤ほど信頼出来るものはなく、その上ロベルト・マルティネスによってある程度ボールを持てるようになったことによって劇的に全てが上向きに。絶好調のお隣さんに続くように、しっかりと順位を上げていった。何より全体的に組織として出来上がっていたことが大きく、多くのチームが監督を代えて改革を開始した今季においては大きな差となった。後、相変わらずあのサッカーマニア、人の弱点を見つけるのが上手過ぎる。「理科の先生」というあだ名でエバートンでは愛されているらしい。鋭いカウンターを相手の弱いところから叩き込むスタイルにおいて、最も妥当で安全な勝ち点の積み方をしたクラブだと思う。モイモイを批判する人には、とりあえずモイモイとかいう指揮官の人生の結晶であるエバートンを見せたらいいんじゃないかと思う。来季はモイモイの地盤を生かしながら、もう少しマルティネス色を出してきそうな気がするので楽しみだ。

シェイマス・コールマン

数年前までラグビー選手のように、ひたすら同じルートを真っ直ぐ突き進んで真っ直ぐ帰ってくることしか出来なかったサイドバックは、別人へと進化を遂げた。モイモイの忘れ形見1号。積極的な攻撃参加でギャレス・ベイルを思い起こさせるようなプレーを連発してゴールを量産。香川真司君も、彼にボロボロにされてしまった。誰だお前は。香車が飛車に化けたようなものである。間違いなくベインズとのサイドバックコンビは、プレミアリーグ最強。

ロス・バークリー

イングランド代表選出はフロックではない。しっかりと足腰の強さを生かしたキープでボールを守り、攻撃ではパワフルでセンスの溢れるプレーをこなす才能の塊は、今季は守備でも非常に良く働いた。ギャレス・バリーの番犬となり、上手く相手に襲い掛かって行くようなプレーで中盤を支えた。

ジェームス・マッカーシー

全ての種目で85点が取れるマルティネスの秘蔵っ子は、当然のようにエバートンでもスターティングメンバーの位置に定着。相変わらずの献身的なプレーと、マルティネス仕込みのダイレクトでの散らしによって攻守にチームの心臓となった。

スティーヴン・ネイスミス

サイドに流れて良し、FWの裏や下でプレーして良し、というサポート役は、1つ1つの動きでルカクをきっちりとサポート。指揮官マルティネスにも「今季最大の発見」と言わしめた。特にカウンターのパターンを増やすと言う観点では、ネイスミスのプレーは非常に面白かった。後はゴールに向かうプレーが増えて正確性が増してくれば、より面白い。

ロメル・ルカク

怪獣映画から抜け出してきちゃった存在は、100kg超のウインガーという新境地をも開拓しながらゴールを量産した。ウイング起用されて長友とやり合うこととかになったら、もう僕は泣いて謝ることにしたい。ベルギーはなんか改造手術でもしてるか、なんかおかしなものを食べさせているのではないか?という疑惑が凄い。男の力がぶつかり合うプレミアリーグですら圧倒的なパワーで相手を蹂躙する怪獣は、バルセロナとかとやり合わせたらなんか凄いことになりそうな気がする。若手CBとかトラウマになるんじゃないだろうか。