2位 リバプール @LFC

「守れないプレミアリーグ」の恩恵を最大限に享受するようにアタッキングフットボールを展開して相手の守備陣を蹂躙したマージーサイドの雄は、今季凄まじい結果を残してプレミアリーグを盛り上げた。恐らく上位4チームの中では現在の位置が最も予想されていなかったチームだろう。実際昨シーズンからルイス・スアレスとのプレーを経験してきた若手が次々と開花。ジェラードとスアレスが引っ張っていたクラブに、ついに周りの選手達が追いついてきた感がある。更にブレンダン・ロジャースが大胆に好調な選手達を登用していったことで、波に一気に乗った。三国志で言うと劉備玄徳っぽかったですよね、ロジャースさん。スターリングやコウチーニョの中盤起用とかいうセリエの監督が発狂しそうな戦術なども上手く嵌り、一時期までは何をやっても上手くいく状態だったのだが、ジョゼとの直接対決となったチェルシー戦での敗戦から歯車が狂わせられてしまったような印象である。守れないプレミアリーグの恩恵でここに来たが、最終的に守れなくて優勝を取り逃がした辺りが皮肉である。来季は安定感を高め、チームとしての選手層を整備することでCLに挑むという難易度が高くなる挑戦が待っているとはいえ、素直に今季の出来は称賛すべきだろう。後は、現在解説をしている「アッガー大好きおじさん」ジェイミー・キャラガーさんは「サコーじゃなくアッガーを出せ」ってめっちゃ言ってた。

ママドゥ・サコー

PSG時代に世界一のCBチアゴ・シウバからの評価はあまり高くなかったように、たまに若干手を抜くのが気になるCB。対人能力はかなり高いのだが、組み立てや守備の細かい面でアッガー大好きおじさんの主な標的となった。スローでサコのプレーを「サコーが嫌いなわけではないが」と言いながら詳細に解説してアッガーの起用を主張するアッガー大好きおじさんを僕は忘れない。

マルティン・シュクルテル

ヘディングによって得点を量産したが、その分後半守備でやらかしためちゃくちゃ怖い顔のCB。この評価どうしようかな感凄い。何よりアッガー大好きおじさんが言うように、サコーとシュクルテルさんのコンビはタイプ的な意味でも流石にちょっと無茶があったような気がしないでもない。

ルイス・スアレス

「ルイス、人間やめるってよ」今季は完全に人間をやめた。中二病風に言うと1師団を1人で殲滅するくらいの感じだった。わかりづらい例えである。ゴール数なんて調べれば出てくるので省略するけど、それだけゴールを取っても満足せずに相手のハンドの時には嬉しそうに騒ぎ立て、エリア内ではPKを誘いに来るのだから、もう相手のDFからしたらとんでもなく嫌な奴である。貪欲ってレベルじゃない。悪ガキをそのまま大人にした性格に、神様が凄い勢いでフットボールの能力を混ぜてしまったのだろう。

ダニエル・スターリッジ

ルイスさんとのコンビネーションを見せながら一緒に得点を量産して、ただでさえ焼野原になった世界からペンペン草まで消し去ろうとした人。そこまでしなくてもいいじゃないですか…チェルシー時代は今のウェルベックみたいなイメージというか、AVBにウイング起用とかされて、ひたすら能力を扱いきれていない子だったのになあ…

ジョン・フラナガン

ジェラード、カフーというレジェンドな人達から絶賛された玄人受けのいい左サイドバック。地味なのだけど献身的でフィジカルが強く、相手との競り合いの中でも体勢を崩されないアスリート型である。攻撃面での成長が期待されるところだ。

シモン・ミニョレ

凄い今年のリバプールっぽかったよね、彼。って感じの守護神。どちらかという安定して落ち着いたプレーが売りだった前守護神レイナと比べると、この子はとにかく全てが派手。良くも悪くも果敢なプレーを連発し、最後尾から攻撃陣へ「ここはいいから、もっと攻めまくれ!」というメッセージを送り続けた。クロスの時に体の向きとか結構間違えてるけど、まあそんなことは些細なことなのだろう。その分シュートストップ強いし。

ラヒーム・スターリング

世界NO1の若手プレイヤーでもいい、とロジャースに絶賛されたが、全く大げさではなかった。細身で縦に速いだけの印象だった若いドリブラーは、今季スアレスとの入れ替わりで裏に飛び出すようになって覚醒。受け手として成功し始めると何故か出し手としても上手くいき始め、余裕溢れるプレーで相手を手玉に取る姿が目立った。重心が低くないことからスピードに乗るタイミングが読みにくいドリブルは絶品で、セントラルの位置でランパードを弄ぶようなドリブルを見せた姿が忘れられない。