前回コラムはこちら。「【コラム】「守れないプレミアリーグ」を振り返る。(15位~11位)

10位から6位。ここは、色々な思惑が見え隠れする悲喜こもごもという感じである。後、日本人選手2人に関するコメントを書く上で、叩かれる!という不安にかられながら頑張った。


10位 ニューカッスル @NUFC

順位に反して、なんかネガティブなイメージばかりが残ってしまった残念な結果に。集めまくったフランス人たちがチームの不調に合わせるように終盤スタンドプレーに走りはじめると、最早チームとしての体裁を保てる感じではなかった。パーデュー監督は「俺が駄目だった」とかコメントしているし、エースのベンアルファは何故かセカンドチームに落とされているし、もう滅茶苦茶である。ギャリー・ネビルさんには終盤、「11人が好き勝手にそれぞれのやりたいことをしているだけのお子様集団」と酷評されるなど、もう一体どこから手をつけていいやら。組織としての和を重んじるカバイエさんが、フランス人と他の選手の潤滑油だったんだなあ…と凄く思う。そんなカバイエさんはPSGでタイトルを取って幸せそうにしておりました。とにかくまずはチームの基盤をしっかりとさせないとならないのではと思う所。後、多分このチームでパーデューのサッカーをしたいのであればデンババババさんみたいなFWが不可欠であり、どちらかというとセンターフォワード的なポジよりも自由を与えたい天然ちゃん可愛いストライカーのパピス・シセちゃんではちょっと難しい。

ティム・クルル

「チームが不調の時こそ、守備がぐちゃぐちゃの時こそ、守護神は強くあらなくてはならない」とかいうシェイ・ギブンさんが長年プレーで示し続けたニューカッスルのGKにおける伝統を見事に体現した人。守備が酷いせいでシュートが雨嵐のように飛んできて休みが無くても、文句を言ってはいけないのである。何故なら守護神は「ありがとう」のために働いているのだから(某企業社訓より)。今季も必死のセービングで不甲斐ないチームに喝を入れ続けた。

ロイク・レミー

QPRでもそうだったけれど、チームがハチャメチャになろうと降格しようと、ガン無視して自分のプレーをやり続けることに定評がある人。それがいいことなのか悪いことなのかは置いておいて、ぐちゃぐちゃの状態だろうと何だろうと静かにカウンターを待つ暗殺者のような姿勢でゴールを量産した。まあ完全移籍ではなくQPR所属のままということもあって、チームが不調だろうと知ったことか!という割り切りがあったのかもしれない。ゴールに持ち込む上で、しっかりとした自分の形を持っているので、変に迷わない思い切りの良さが魅力。

マイク・ウィリアムソン

一時期は良くポジショニングが適当でやらかし系としてネタにされていたが、ついに責任を背負わざるを得ない立場で覚醒を開始した感のあるCB。数シーズン前までは圧倒的な守備力でニューカッスルの良心として君臨したコロッチーニさんの勤続疲労による衰えという緊急事態にあって、大きく飛躍するシーズンになった。このままコロッチーニさんのようにCBの中心に収まってくれると、ニューカッスルとしてはありがたいのだろう。

マテュー・ドゥビュシー

エネルギッシュな走りと運動量が魅力なフランス代表プレイヤーは、攻撃面で何度となくニューカッスルを救った。年齢的にも全盛期が来そうな頃だし、今後もチームの中心であるはずだ。ボールがないところでのサポート的なオーバーラップが素敵な選手でもある。

ダビデ・サントン

CB寄りかWG寄りかに大きく分類出来るサイドバックというポジションにおいて、どっちでもない感じ、という珍しいタイプのサイドバック。まずスピードがない。とはいえ、それが弱点になっている感じではなく、ぬるぬるとしたタッチでボールを持ちあがると結構気の利いた組み立てやクロスを上げて見せたりするのである。インテル時代には「サントンとバロテッリで15年は安泰だな!」とか言われたこともあった。インテルでは「アドリアーノとマルティンスで10年は安泰だな!」とか「デストロとコウチーニョで」とかもあったので悪質な死亡フラグである。