さて、“One nation One team"を今大会のスローガンに戦うアメリカの本大会での展望はどうだろう。

日本と同じくサッカーの伝統が浅く、マリーシア的な部分に課題を抱えるアメリカが伝統的なパワーと縦のスピードを捨ててポゼッションスタイルで臨むことは、近年、韓国代表がパワープレーを捨ててポゼッションに挑戦に失敗した例を彷彿とさせる。変革の名の下にドノヴァンを外し国際経験の浅い選手を多く抜擢したその選択に対し、負ければ非難を免れないことはクリンスマンも覚悟の上だろうが、十分な結果を残すにはやはり時期尚早と言わざるを得ない。

加えてドイツ、ポルトガルが同組という極めて厳しいグループ。デンプシー、ブラッドリー、ハワードら個人個人には地力があり、結束力に優れ必ず本大会でコンディションのピークを合わせてくるアメリカなだけに、番狂わせがないとは言えないが躍進を推すのは難しいだろう。

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