☆リンカーン・レッド・インプスFC(ジブラルタル)-HBトースハウン(フェロー諸島)
 1stレグ:7月2日 ヴィクトリアスタジアム(ジブラルタル)
 2ndレグ:7月8日 トースフェルール(トースハウン)

この試合だけは1日遅れ、7月2日の1stレグから始められる。そして、2013年5月に54番目の協会としてUEFA加盟が認められたジブラルタルにとって、初めて国内クラブがUCLへの参加する試合ともなる。ジブラルタル国内にはUEFAの公式戦を開ける規格のスタジアムがないため、ジブラルタルサッカー協会は新スタジアムの建設を進めているが、このUCL予選では従来のヴィクトリアスタジアムの利用が認められ、本当のホームで歴史的試合を開催できることになった。

UEFA加盟に伴い、それまで統治国イギリスのものと同じ名称だった各クラブが改名をしていて、イングランドのカンファレンスリーグ(5部相当)にあるリンカーン・シティFCと類似していたジブラルタルのリンカーンFCも、今シーズンから「リンカーン・レッド・インプスFC」となった。「インプス」は本家のリンカーン・シティFCが愛称として自ら名乗っている、市のシンボルの「インプ」(小さい悪魔)を正式名称に取り込んだものである。

同クラブは今まで公式の国際大会に出場する機会はなく、UEFAクラブポイントも0だが、ジブラルタル・プレミアリーグでは過去19回優勝、2002-03シーズンからは12連覇中という圧倒的な実績を持っている。2014年6月4日、ポルトガルのファロで行われた「ホームゲーム」で、マルタ相手に1-0で国際Aマッチ初勝利を挙げたジブラルタル代表の得点者も、同クラブ所属のカイル・カシアロだった。


2006年から使われていたリンカーン・シティFCの紋章(左)。2014年、黄金時代のデザインを復活させた現在の紋章(右)。

HBトースハウンはスコットランドとアイスランドの中間にあるデンマーク自治領のフェロー諸島の首都、トースハウン(トルシャーヴン)にあるクラブで、自称ではHBの正式名称、「Havnar Bóltfelag」を名乗っている。

フェロー諸島プレミアリーグでは最多の22回優勝で、2013シーズンは3年ぶりにタイトルを奪回し、8度目のUCL挑戦となった。過去7回はいずれも予選の初戦で敗退しているが、前回の2011-12シーズンはマルメFF(スウェーデン)に2ndレグで1-1(1stレグは0-2)、その前の2010-11シーズンはレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)に同じく2ndレグで1-0(1stレグは0-5)と、特にホームでは力を発揮する。フェローリーグは3-10月開催の春秋制で、HBは6月24日にB36とのダービーマッチを戦い(1-1で引き分け)、14節終了で8勝5分1敗、B36とは5ポイント差の2位である。

2014年3月1日、フェロー諸島代表は今年唯一のAマッチを行い、4-1で勝利した。HBのDFフロディ・ベンヤミンセンはキャプテンとしてフル出場し、36歳で80試合に到達した。この時の相手がジブラルタル代表で、ベンヤミンセンら4人は4ヶ月後に再び、今度は自分のクラブの仲間と一緒に再びヴィクトリアスタジアムに向かうことになった。

この対戦の勝者は、2回戦でFKパルティザン(セルビア)と対戦する。

そしてW杯決勝からわずか2日後、7月15日から始まる2回戦では、昨シーズンに続く本戦進出を狙うセルティック(スコットランド)やステアウア・ブカレスト(ルーマニア)の他、2012-13シーズンで予選を勝ち抜いたBATEボリソフ(ベラルーシ)やディナモ・ザグレブ(クロアチア)、さらにレギア・ワルシャワやデブレツェニ、スロヴァン・ブラティスラヴァ(スロヴァキア)やNKマリボルなど東ヨーロッパの実力派チームが登場し、ベルリン・オリンピアシュタディオンでの決勝を目指す戦いがいよいよ白熱する。

【厳選Qoly】パリ五輪にオーバーエイジ参加するかも?ウワサの「3名のスーパースター」

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら