オランダの名門PSVのサポーターが、なにやら怒っているらしい。
RT @guardian_sport: PSV fans protest against introduction of Wi-Fi at stadium http://t.co/uzAT45Lbax (Pic: Getty) pic.twitter.com/3FCU1S28H5
— The Guardian (@guardian) 2014, 8月 18
こちらは、英国『Guardian』が伝えたPSVのフィリップス・スタディオンでの様子である。
よく見るとWi-Fiのトレードマークに赤いバツ印がつけられており、“Fuck Wi-Fi, support the team(Wi-Fiなんてク●くらえ、チームをサポートせよ)”という大きな弾幕が見える。
記事によれば、このほどフィリップス・スタディオンではスタジアムにWi-Fiを導入したのだが、そのことにサポーター団体が抗議運動を起こしたようだ。
しかし、それはそれでおかしな話である。
なぜなら、Wi-Fiの恩恵を最も受けるのはサポーターである彼らであるからだ。今や、スマートフォンおよびタブレットデバイスは現代に生きる私たちにとって欠かせぬものになっている。スタジアムのような密集地帯では回線が集中するため携帯電話会社のネットワークでは通信障害が発生しやすく、そんな問題を解決するのがこのWi-Fi導入の狙いであったはずなのだ。
では、なぜ彼らは立ち上がったのか。その理由は、このサポーター集団がWi-Fiの導入によりスタジアムのムードに変化が生じるかもしれないと考えたからであるそうだ。
Wi-Fiを導入するということは、スタジアムのネットワーク環境が整うということである。それはサポーターのインターネット利用を促進させ、試合中でもサポーターがモバイル端末を目にする増えるということになる。
そういった環境が整備されることにより、フィリップス・スタディオンの声援が小さくなってしまうのではないか―。あるいは、スタジアムに訪れた観客の視線が目の前の選手たちではなく、手元のタブレットデバイスにばかり向けられるのではないか―。
彼らがバナーを掲げた理由は、こうした危機感にあった。一見過激な弾幕だが、その理由を聞けば彼らの気持ちはいたってピュアであることが分かる。彼らは、選手のことを第一に考えているのだ。
ちなみ、英国『Metro』によれば、このほどフィリップス・シュタディオンでは長い間使用されてきた立ち見席も廃止されたそうだ。スタジアムは今、より安全にそしてより快適に過ごせるように着々と進化を遂げている。伝統や風習を大切にする古参サポーターと上手く分かち合いながら、すべての人にとって受け入れられる場所を目指してほしい。
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