開幕から3試合、勿論観戦数にはチームごとに差はありますが、全チームを1度は観戦することが出来ました。ということで、今回は試合を観戦したことを踏まえて、プレミアリーグの分析と展望をしていきたいと思います。チーム1つ1つについて、出来る限り詳細な分析を心掛けてみました。今回はPart2になります。(※Part1は こちら

今回は “Positive Aspect”で良かった面、“Negative Aspect”で不安視される面を分析、今後のプレミアリーグへの展望に繋げています。また、各チームから新加入でデビューを果たした“New Player”、既存の中心選手として期待される“Key Player”、そして+に転べば大きい"Potential Player"を選び、それぞれコメントしていきたいと思います。

更に、移籍期間最終日の移籍についても評価。 “Deadline Deal”というのが、最終日の注目加入選手となっております。

開幕前にQolyでは プレミアリーグ座談会も行わせていただきましたが、その座談会の中での評価と変わってきているチームもあるため、是非一緒にお楽しみください!

ハル・シティ(昨季16位)【第2節観戦】

【期待が持てるチームの1つ。3バックで攻撃的フットボールを目指す】

・Positive Aspect

今季から取り入れた3バックによってウイングバックに上手くボールを持たせていくポゼッションには大きな期待が持てる。かつ、3バックの前には3センターを採用。中央からの守備のリスクマネージメントもしっかりとこなしている。まだまだ完成度自体は高くないものの、このフットボールが出来上がれば飛躍を狙っていけるはず。特に右サイド、クインとロバートソンの2人が見せるパス回しからの崩しは必見だ。移籍期間最終日にもベナルファ、モハメド・ディアメ、ガストン・ラミレスと実力者を加えた。攻撃的サッカーへの転換に、大きな期待がかかる。攻撃陣もイェラビッチが好調を保っており、アベル・エルナンデスの加入で競争は激化。ボールを持つシステムとアタッカー陣が噛み合えば、魅力的なフットボールを展開出来るのでは。

・Negative Aspect

3バックの浸透には多少時間がかかりそう。序盤は昨シーズンから好調を保っているカーティス・デイヴィスに大きな負担がかかる可能性は高い。CB陣のクオリティや層にも不安は残るため、崩れるとすればDFラインからか。転換期にあることもあり、チーム全体の戦術意識は統一しきれていない。前半は個人のクオリティや、昨シーズンの好調を支えたメンバーに依存することになるだろう。また、前線の新加入メンバーに不安定な選手が多いため、彼等が調子を取り戻すまでに時間がかかってくると難しい。全体的にチームが大きく入れ替わっているというのも不安要素だ。

・New Player

トム・インス

イェラビッチのサポート役として期待されての加入だが、未だにチームには馴染み切れていない。イェラビッチがシンプルにプレーをこなしていく選手というのもあり、基本はアシスト役に徹することが求められるか。ベナルファ、ガストン・ラミレスの加入によって競争も激化してきそう。そのポテンシャルを発揮出来れば、面白そうだが。

アンドリュー・ロバートソン

スコットランドから今季プレミアにやってきた20歳の新鋭は、既にハル・シティで素晴らしいプレーを披露している。ボールを丁寧に扱える選手ということから、左のウイングバックとしてクインをサポート。安全にボールを受けるポジショニングの良さや、的確にサポートするオーバーラップなどで、ポゼッションには欠かせない選手になりそう。

・Key Player

スティーブン・クイン

周りを使うことが上手いテクニック系MFは、3-5-2というフォーメーションで非常に重要な役割を任されることになりそう。守備時は3センターの一員としてプレーするものの、攻撃時にはポゼッションの起点として左サイドハーフのようにプレー。的確なサポートをこなす相棒ロバートソンと共に、攻撃の基準点としてポゼッションを指揮する。

・Potential Player

マイケル・ドーソン

スパーズで長年を過ごしたセンターバックは、3バックの中央を支えるという難しい仕事に直面している。とはいえ、個人の守備スキルよりも統率力に特徴がある選手なので、3バックでの仕事が上手く嵌ってくるかもしれない。また、正確なロングボールで攻撃の起点としても期待される。

・Deadline Deal

アテム・ベナルファ

長年に渡り、ニューカッスルの攻撃を牽引したドリブラー。シュートフェイントなど、多彩なフェイクで相手を惑わすようなプレーが武器。また、中距離からのミドルシュートも持っているため、攻撃にアクセントを加える存在として期待がかかる。

モハメド・ディアメ

「アタッカーでは中途半端、2センターでは守備力が物足りない」、という感じの選手だが、間違いなく3センターには嵌るはず。ハル・シティの中盤に欠けていた「フィジカル系」というピースをしっかりと埋めた。ウィガン時代もポゼッション系のチームでアクセントを加えていたことから、問題なく馴染めるはず。