イングランド方面のサッカーファンであればご存知の方も多いかもしれないが、サッカーというスポーツをカルチャー的な側面から取り上げることで新たな視点を生み出し、世界的に評価を受けている同誌。元々、“本の中のサッカー"に憧れがあったという小田氏らもこの雑誌の影響を受け、日常の中にあるサッカー、そこから「選手のでないサッカーマガジン」というコンセプトでの創刊に至ったという。

会場で回された『The Green Soccer Journal』のIssue 6。カルチャー寄りらしい雰囲気のある雑誌で内容も濃い。

その後は気になる『OFF THE BALL』の内容に関する解説、というかこぼれ話。創刊号となるissue1では、ユニークな視点で知られるフードブロガー、平野紗季子氏によるスタジアムグルメガイドや、サッカー好きのアーティストらによるコラム、さらに将棋の渡辺明二冠(棋王・王将)も登場するなど、まさにサッカーの“周辺"が色鮮やかに綴られている。

1,500円(税抜)という価格で販売された今回のissue1だが、実はイベントに合わせてWeb上で無料公開(!)。皆さんもぜひ、自分の目でこの新しいサッカー雑誌を楽しんでもらいたい。

OFF THE BALL issue1
http://issuu.com/akashioda/docs/otb_issu_final_cdf66efcc8b2db/7?e=9051569/9821890

ベースとして『The Green Soccer Journal』という存在があったことは前述した通りだが、終了後に小田氏らと直接話していても感じたことは、『OFF THE BALL』の中身はあくまで彼らの内側から生まれてきたものであること。小田氏や長谷川氏など創刊メンバー、そして寄稿者とサッカーの間にある日常を切り取り、雑誌という形で世に送り出す。このことの意義は決して小さくない。なぜならそれは、サッカーファンそれぞれが持つ「サッカーとの繋がり」の一部でもあるからだ。

リベリとToy DollsのVo.マイケル・“オルガ"・オールガー (Michael "Olga" Alga) が「似てる」。ただ、こういったことも間違いなくサッカーの楽しみ方の一つであり、当サイトの方向性とも合致する部分である。

創刊号は予算的にも厳しかったとのことだが、今回24ページだったページ数も今後は増やしていきたいと語る小田氏。

サッカーの文化面に焦点をあてたといえば、過去にはESPNで放映されていた『サッカー世界の旅』や楽天が大型予算を組んで刊行した『STAR Soccer』などがあるが、残念ながらいずれも短命で終わっている。彼らは文化的な側面に着目しながらも、サッカー選手のインタビューや試合についての情報も掲載されていた。「サッカー選手がでてこないサッカー雑誌」 それだけ『OFF THE BALL』誌の突き抜け方は半端ではない。QOLY編集部では今後とも動向を継続的に追っていくつもりだ。

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