2018年、2022年のワールドカップ候補地の選定に不正があったかどうか、FIFAの内外で大きく揺れている。

これまで、不正について調査を続けてきたFIFA主任調査官のマイケル・ガルシアは17日任期を終え辞任することになった。ガルシアはFIFAの上層部に対して「指導力不足」を指摘しており、UEFAの会長ミシェル・プラティニも「我々は透明性を望みましたが、これはFIFAの新たな失敗です」と述べている。

そこで、これまでの流れを簡単にまとめてみた


2010年10月 『Sunday Times』紙、ナイジェリアやタヒチが賄賂を見返りにカタールへ投票するよしを述べたビデオを盗撮し記事化。

2010年12月 2018年ワールドカップ、2022年ワールドカップの開催地がそれぞれロシア、カタールに決まる。

2013年10月 FIFA、2022年ワールドカップ開催のカタールの代替え日を用意することに合意

2014年3月 『Daily Telegraph』紙、FIFA会長選挙における買収疑惑等でサッカー界を追放された元FIFA理事で元AFC会長モハメド・ビン・ハマム ハマム氏が200万ドルを元FIFA副会長のワーナー氏とその家族に渡していたことを告発。

2014年6月 ハマム氏について『Sunday Times』紙はアフリカサッカー協会幹部などに500万ドル(約5億8000万円)の賄賂をわたし、カタールへワールドカップ招致の買収をしたたことを報道する

2014年6月 FIFAブラッター会長、元アメリカ地検で弁護士のマイケル・ガルシアを主任調査官に雇用。ガルシア、開催を立候補した国すべてに事情調査を行う。

2014年6月 カタール航空CEOアクバル・アル・ベーカー氏、買収や贈収賄はカタールでは禁じられていることを発言

2014年9月 マイケル・ガルシア、ワールドカップ開催について調査報告書をFIFAに提出(350ページ)

2014年9月 FIFA倫理委員会裁定部門トップを務めるハンス・ヨアヒム・エッカート氏、 ガルシアの報告書は公表されないことを伝える

2014年9月 ヨルダンのアリ王子、透明性のためにもFIFAに調査報告書公表を希望

2014年10月 エッカート氏、最終的な結論は来年春以降になることを述べる

2014年11月13日 FIFAがその内容の要約(42ページ)を報告、カタールとロシアに不正はなかったとし、むしろイングランドに不正があったとしFAなどから反発を食らう。(元々イングランドでは、ワールドカップ開催候補選定の段階で調査レポートで最下位だったカタールが開催地に当選したことについて疑惑を持つ報道が主流であった。)

2014年11月13日 マイケル・ガルシア、FIFAによる発表は自身の結果報告書と異なっており、不完全であり、また誤った表現があることを告発する

2014年11月15日 ドイツサッカー連盟のラインハルト会長、ガルシアの結果報告書が公表されない場合はUEFAがFIFAから脱退することも示唆

2014年11月20日 ガルシア氏とエッカート氏、結果報告書の完全なコピーを公表することで合意する

2014年12月17日 マイケル・ガルシア任期満了につき調査チームの議長を辞任

となっている。

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