2014年のバロンドールの栄冠は2年連続でロナウドのもとに輝いた。得票率は1位ロナウド37.6%、2位メッシ15.76%、3位ノイアー15.72%となった。
何年もメッシ、ロナウド二強時代が続いているだけに、発表前から今回はノイアーがそれに終止符を打つのではと期待されたが結果は惜しくも叶わなかった。バロンドールは人の投票によって選ばれているので、最後には好みが出てしまうきらいがある。
ただし一般的にロナウドのほうがノイアーより好まれやすいプレースタイルということは理解できるだろう。そもそもFWとGKという両極端なポジションを比べるのは非常に難しい。得点と失点数を比較してもあまりぴんとこなければ、GKの活躍を示す基準もなかなか見つけづらい。ただし選手である以上、タイトルというのはある程度活躍したという指標になるはずだろう。ロナウドであればリーガのタイトルこそ逃しているものの、CLやCWC、コパ・デル・レイ、そして個人での得点王をとっている。ノイアーはリーガ、カップの二冠と何よりW杯をとっている。
ここである一つの疑問が浮かんでくる。
なぜノイアーはタイトルなしのメッシより順位が下なのかということである。
いくらわかりやすく得点を重ねるポジションとはいえ、バルセロナ無冠のシーズンを象徴する選手と片やW杯での優勝に大きく貢献した選手である。どうにも合点がいかないように見える。
バロンドールの投票というのは各国のキャプテン、監督、メディアによる計544人で行われ、1位に選出すれば5ポイント、2位なら3ポイント、3位なら1ポイントというポイント制になっている。
まずこのポイント制に疑問を呈したい。バロンドールはあくまで一人だけを選出して栄誉を与える賞なので、2位以下はさして重要ではないはずである。投票は最も素晴らしかったと思う選手一人だけの名前を書けばいい。ではそのやり方だとどうなるか。
1位に選出された割合
1位ロナウド 55.7%
2位ノイアー 15.6%
3位メッシ 10.1%
となっている。ここで見るべきはロナウドの圧倒的な得票率ではなく、メッシである。全体の10.1%というのは、大きな数字ではないことがわかるはずだ。総合では僅差ながらノイアーを上回っているのにも関わらず、この数字である。