更に顕著なのはメディアによるものだけに限定した場合である。
メディアが1位に選出した割合
ロナウド 63.5%
ノイアー 17.1%
メッシ 2.2%
メッシはわずか2.2%という低い得票率になっている。全員が全員フットボール担当記者なのかはわからないが、仮にも見るのを職業としているメディアの方々の投票なのでいくらか説得力があるだろう。ちなみにこの2.2%という数字は実際には5位に終わったトーマス・ミュラーより下であり、ミュラーは6.1%である。
徐々にバロンドールのからくりが見えてきたのではないだろうか。
とどのつまり何が言いたいのかというと、メッシは3位以内に入ることでポイントを荒稼ぎし、ノイアーの上をいったのではないかという仮説を提唱したいわけである。この仮説は以下に示すデータによって実証される。この図はメッシとノイアーの2人が2位、または3位に投票された割合である。
2位以下に投票された割合
メッシ 21.4%
ノイアー 15.3%
先ほどの1位に選出されている割合以上の差でメッシが上回っている。
世界一の選手を決めようという賞に対して、3人の中で最も1位に選んでいる人が少ない選手(メッシ)が世界で2番目に1位に選ばれている選手(ノイアー)より実際は上をいくというやや奇妙なことが起きている。
データを見ればロナウドが選ばれたのは間違いなく必然である。ロナウドが最も多くの人間に支持されたというのは紛れもない事実なのだから。しかもノイアーが受賞するのではと期待していた人々にとっては拍子抜けするほどのロナウドの圧勝と言ってもいい結末だった。勿論ロナウドの功績は素晴らしいし、歴史に残るだろうが、ロナウド人気の票少なからず含まれているのではないか。
現に監督賞はW杯優勝「だけ」のレーヴが受賞し、マドリーで多くのタイトルを獲得したアンチェロッティは惜しくも2位に終わっている。これを見ればW杯優勝がどれだけ大きな功績か理解できるだろう。
無論言うまでもなく監督と違い、ロナウドは個人としても得点王など果てしなく大きな数字も残しているのだが、逆にノイアーが受賞するためにはあと何をすればよかったのか。このロナウドとメッシがいる時代にGKがバロンドールを受賞することは不可能なのか。
歴史あるバロンドールという賞がただの人気投票に完全に成り下がる前に、もう一度見直してもらいたいものである。
筆者名:平松 凌
プロフィール:プロのフットボールライターを目指して、日々修行中。現在自分が何を書くのを得意としてるのか模索しています。自称国内屈指のバイエルンファンであり、話題に事欠かないチームに感謝してツイッターでは情報配信しています。
ツイッター:
@bayernista25