2015年1月、実は世界各地であらゆる大陸選手権が行われている。

オーストラリアで開催されているのはご存知アジアカップ。日本代表も参加中である。

ウルグアイではU-20南米選手権が開催中だ。今大会には多くの“2世選手"が参加しており、ディエゴ・シメオネの息子ジョバンニはなんと現在得点王に輝いている

そして、エボラ出血熱の影響により急遽赤道ギニアでの開催が決定したのが、「アフリカ・カップ・オブ・ネイションズ」、そうアフリカ選手権である。

2年に1度開催されるアフリカ王者決定戦。16チームが参加する今大会は今月17日から開催されており、現地時間20日にはグループDの2試合が終了。すでにグループステージの第1節が終了した形だ。

さて、そんなグループステージ第1節に登場したのがサミュエル・エトーやパトリック・エムボマら世界的ストライカーを輩出し続けてきたカメルーンである。

マリとの初戦を引き分け、ドロースタートととなった「不屈のライオン」。2014年ワールドカップではグループAで全敗を経験したため、このアフリカ選手権を浮上のきっかけとしたい同国だが、その登録メンバーの中になかなか興味深い選手がいた。

こちらがその選手。1995年12月24日生まれの19歳、ジョセフ・オンドアだ。

実はこのオンドア、所属はバルセロナBである。バルセロナの下部組織にはジャン=マリ・ドングなどカメルーン出身の選手が多くいるが、これらはエトーが設立した「エトー財団」が関係しているため。オンドアもその関係からバルセロナB入りを果たしている。

さて、そんなオンドアだがこのアフリカ選手権の開幕戦にも見事先発出場した。マリ代表のサンブ・ヤタバレに股を抜かれて先制点こそ失ったが、今大会の予選では6試合全てでゴールを守るなどフォルカー・フィンケ監督からの信頼も厚いようだ。

しかし、本当にすごいのはここからである。実はこのオンドア、バルセロナBでの出場経験がほぼないのだ。

『transfermarkt』によれば、オンドアの出場は今シーズンわずかに1試合のみ。

また、過去を遡っても昨シーズンにUEFAユースリーグで7試合出場しただけであり、トップディビジョンでの出場経験がない選手がA代表の正GKに選出されるというきわめて珍しいケースになっているのだ。

ちなみに昨日のマリ戦をもって、クラブでの出場数(しかもBチームである)をフル代表での出場数が上回ったらしい。ポテンシャル採用だとしても、いやはや世界は広い・・・。

カメルーン人選手といえば、ヨーロッパでも多くの選手が活躍している。しかし、イドリス・カルロス・カメニ以来絶対的な守護神が育っていないとされており、オンドアへの期待の高さが窺いしれるエピソードであった。

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