冬の移籍ウィンドウが閉鎖し、多くの選手が新天地へ旅立った。ステップアップを果たす者、出場機会を求める者。状況は様々だが、選手たちが活躍するために新しい道へ進んだのは言うまでもない。
しかし、移籍が諸刃の剣であることは周知の事実だ。"絶対に活躍する"と思われた選手が出場機会すら得られない状況に陥ったり、思わぬ選手が大ブレイクを果たしたり。"予想通り"となることもあるのだが、総合的に勘案すればフットボールが如何に不確定な要素を内包しているかに気付かされる。
移籍が成功だったのか、失敗だったのか。責任は誰が取るのか。リヴァプールでフットボールディレクターを務めたダミアン・コモリの発言が興味深いのでご紹介したい。『Daily Mail』によれば、ニューカッスルから英国人史上最高額の移籍金で獲得したアンディ・キャロルについて以下のように語ったようだ。
ダミアン・コモリ
(元スカウト、フットボールディレクター)
「オーナー陣、私、(当時の指揮官の)ケニー・ダルグリッシュ、当時のコマーシャル・ディレクターであり現在CEOを務めるイアン・アイルによる会議で、(キャロル放出の)決断は下された。
「もし解決しなければいくら失うことになるのか正確にわかっていたから、私たちは正しい判断ができた。そしてみんな言ってたよ、移籍に向かって嬉しいとね」
「私はキャロルについて常に何と言っていたかにこだわりたい。彼がフィットした時、彼は出場できなかった(=出場機会を与えられなかった)。彼がウェストハムでフィットしてた時、彼はゴールを決め、アシストをし、コンスタントに脅威であるという、自分が何をすることができるか証明した」
「人々が我々がミスを犯したと言うが、我々がミスを犯したという意見に私は納得していない。ただ単に負傷により ベストなアンディ・キャロルを見られなかっただけだ」
結果論を言えば、リヴァプールがキャロルの移籍で失敗したのは間違いない。大金を払った選手が活躍できず、放出後に活躍しているからである。しかし、コモリとすれば、「その原因はキャロルが負傷してしまったことにあり、責任の所在はどこにも無い」ということになりそうだ。
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