コモリがフットボール戦略のディレクターとしてリヴァプールに加わったのは2010年の11月。国内外から選手を獲得するために奔走し、直後の移籍ウィンドウで大きなインパクトを残す。2011年の1月の移籍ウィンドウのデッドラインデーに、ウルグアイ代表FW、ルイス・スアレスと前述のキャロルを引き抜いたのである。
その後、コモリは2011年の3月にフットボールディレクターに就任。ディレクターとしてどのような選手を獲得したのか一度確認しよう。
<2010-11 冬の移籍ウィンドウ>
- アンディ・キャロル:3500万ポンド(およそ63億円)
- ルイス・スアレス: 2200万ポンド(およそ39.5億円)
<2011-12 夏の移籍ウィンドウ>
- スチュワート・ダウニング: 2000万ポンド(およそ36億円)
- クレイグ・ベラミー: フリー
- ジョーダン・ヘンダーソン: 600万ポンド(およそ11億円)
- ホセ・エンリケ: 500万ポンド(およそ9億円)
- チャーリー・アダム: 900万ポンド(およそ16億円)
- セバスティアン・コアテス: 700万ポンド(およそ12.5億円)
この中でクラブを支える活躍をしたと言えるのはスアレス、ヘンダーソンの両名だろう。正直な感想としてその他の選手についてはあまり活躍したと言い辛い。そして獲得した選手が活躍しない選手が多いということはクラブの成績にも影響した。
冬の移籍ウィンドウから加わった2010-11シーズンはプレミアリーグで6位。積極補強を行った2011-12シーズンは8位に終わった。そして、シーズン途中の2012年4月、コモリはリヴァプールと双方合意の形で契約を解除しアンフィールドを去っている。表向きの理由では家族の問題とされているが、成績不振による事実上の解任と噂されている。
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