タイプレミアリーグのムアントン・ユナイテッドで日本語通訳を担当するなど、日本とタイのサッカーをつなぐ仕事に携わるブンポン・ナッタポン(ナット)氏。かつては財前宣之氏の専属通訳として活躍、今季からは青山直晃選手を担当する。タイ側から見た日本人選手の印象や評価など、タイクラブに関わるタイ人ならではの興味深い視点で語ってもらった。

-財前宣之さんがムアントン・ユナイテッドに所属していた時に専属通訳をされていたということですが、それ以前からクラブのスタッフだったのですか。

もともとはムアントン・ユナイテッドのファンだったんです。ティラシン・デンダー選手が大好きで2008年からファンになったんですが、年間チケットを買うくらい熱心に応援していました。

2009年のシーズンが終わったときに、ムアントンが日本人選手を獲ったという情報があって、いろいろ調べたら財前という日本でけっこう知られた選手だということがわかったんです。自分は日本語ができてサッカーも小さい頃からしていて大好きなので、彼の情報をタイ人向けにブログなどで発信していたんです。

-そこからどういう経緯で通訳に?

ムアントンのファンが運営しているチームの情報サイトがあったんですが、そのサイトで財前さんの取材をしたいから助けてほしいという話があって。それで実際に通訳として取材の手伝いをしたところ、その時に財前さんが直接僕に対して、

「サッカーもわかるし、日本語もできる。通訳として一緒に働かないか」

と言ってくれたんです。その後、チームから直接連絡をもらって、通訳として働くことになりました。

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